「不都合な史実削られる」 副読本
- 2017年04月20日
- 地域・教育
三木氏、歴史の直視強調
副読本「八重山の歴史と文化・自然」の監修・執筆者で、石垣市史編集委員を務める三木健氏は「石垣市教委の副読本刊行中止問題を考える」の演題で講話し、「歴史を曲げては本当の教育はできない。都合の悪いことでも向き合って直視し、見つめ直すことで、近隣諸国との関係を考えられる力もついていく。継続刊行を求めたい」と強調した。
三木氏は副読本の編集体制や執筆者、特徴などの概要や、配本の遅れ、市教育委員会から記述取り下げの要求があったことなど、これまでの経緯を説明。
「日本にとって不都合な史実がどんどん削られており、日本を戦争のできる国にする条件整備の中の一つ。自衛隊配備の問題もある中で、いかにも今の時代を象徴している」と懸念を示し、「根底になる歴史認識がゆがむと、進む方向もそうなっていく。わずか数行かもしれないが、将来を考えるとても大事な歴史の問題。だからこそ一歩も譲れない」と述べた。
市民向けの本の販売の準備を進めていることにも言及し、「子どもたちが郷土を学ぶ機会を失わないようにしていこう」と呼び掛けた。
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