文化財指定保存を再確認 旧大浜町浄水場跡
第3回石垣市文化財審議会(石垣博孝委員長、委員10人)が21日午後、石垣市教育委員会であり、同審議会が文化財に指定するよう建議している旧大浜町浄水場跡について中山義隆市長が3月市議会でアクセス道路優先の意思を示したことを受け、今後の方向性を話し合った。「再度建議すべきだ」「市教委が私たちの意見をくみ取って県や市と折衝できなければ何度建議しても意味がない」など意見が割れる場面もあったが、最終的に文化財に指定し保存する従来の方向性を確認。石垣委員長と石垣久雄副委員長が後日、石垣安志教育長と直接会い、この日の審議会で話し合った内容を伝えることになった。
石垣副委員長は2月6日に開かれた県八重山土木事務所と市教委、審議会の意見交換会で、ルート選定時に県から市教委に照会があったことについて「この日に初めて知った。なぜ当時、市教委は審議会に諮らなかったのか」と指摘。
これに文化財課は「県からの資料にはマル秘の印が入っており、公開して審議していただくものではないと判断したと思われる。そのような資料であったために公開できなかったと考えている」「近現代物にあたる浄水場跡は法令にはかからない部分であったため、回答にも入っていなかった」などと説明。
石垣副委員長は「根本はマル秘とされたことではないか。当時分かっていれば線引きできた部分はあると思う。いずれにしても価値は変わらない。文化財に指定して次代にバトンタッチすべきだと思う」、松島昭司委員も「宮良浜川原のヤラブ並木や川平のヨーンなど、決定後に覆った前例もある。決定したからそのまま行うのではなく、再検討も必要だ」と述べ、ほとんどの委員が同調した。
島村賢正委員は「本当に重要ということで建議しているが、受け止められていない気がする。再度建議書を出すべきではないか」と強調。
一方、「当時、浄水場跡があることをわれわれが認識していなかったという部分もある」「市教委に私たちの意見をくみ取ってもらえないと限界がある」との意見もあった。
審議会では、同跡やその周辺一帯の調査結果(16日現在)についても報告された。
この日は、地中の根石の部分を見るために周辺を掘って調べている「石垣村の星見石」の視察も行った。
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