石糖が分蜜糖を初出荷 糖度向上で歩留まり良し
今月6日に2016/17年期の製糖を開始した石垣島製糖㈱(松林豊社長)は26日、工場で生産した粗糖(分蜜糖)の出荷を開始した。今期製糖計画によると、原料生産は6万7908㌧と前期から11.4%減少するが、糖度の向上で歩留まりが良くなる見通しとなっていることから粗糖生産量は前期より14.7%増の8122㌧を見込んでいる。27日までの2日間で計1500㌧(販売額約2億5000万円)を初出荷する。
石垣島製糖によると、今期は計画通りの製糖ができており、操業開始から25日までに原料1万7730㌧を受け入れ、1万5623㌧を買い入れた。平均糖度は13.83度。一定額の交付金単価が保証される基準糖度帯(13.1度~14.3度)の買い入れ原料が全体の約73%を占めており、前期の約20%から大幅に改善。粗糖歩留まりは前期の9.24%から11.96%を見込んでいる。
出荷を前に工場内で初荷式が行われ、松林社長は「製糖を開始してから予定通り推移している。天候に恵まれたことが大きい。糖度は、昨年は非常に厳しかったが、今期は平年並みに戻っている。寒さがあるので、今後も糖度は上がるだろう」と見通しを示し、JAおきなわ八重山地区本部の照屋武美本部長も「今期は農家の手取りが増え、工場も経営的にプラスになる」と期待した。
出発を前に運転手を代表して石川盛勇さんが「生産農家が手塩にかけて育てたサトウキビからできた砂糖を安全に運ぶのはわれわれの使命。8台の運転手がドライバーとしての自覚を持ち、安全運転を心がける」と宣言。「初荷」の幕を取り付けたトラック8台が次々と工場を出発、石垣港で琉球海運㈱の運搬船「はるか」に積み込んだ。「はるか」は27日に出港、2月1日に千葉の新東日本製糖㈱に運ぶ。
石糖によると、4月8日の操業終了予定日までに計6回の運搬を計画する。
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