「皆さんの話、琴線に触れない」 教育委発言に猛反発
石垣市教育委員会が4月から入園申込者5人未満の幼稚園を休園とする方針に市民から見直しを求める声が出ている問題で、市教委は25日夜、名蔵小中学校で意見交換会を開き、石垣安志教育長ら委員4人が初めて出席して保護者や住民と意見を交わした。保護者や地域住民ら約40人が参加し、「現状を見ていない人に決められたくない」「少人数の所を増やす議論をなぜしないのか」などと説明会同様、不満をぶつけた。委員からは「皆さんの話は琴線に触れない」との発言が飛び出し、猛反発を招く場面もあった。
市教委はこれまで対象園のある3地域で説明会を行ってきたが、地域の反発を受け、20日の定例会で判断を先送り、2月1日に最終的に休園するかどうか決定することを確認している。
髙里正明委員は「たくましく生きていくためにはコミュニケーション能力が重要で、集団での経験が必要」と強調。これに名蔵公民館の比嘉英喜館長は「大人数がいいということであれば、少ないところを増やそうという議論をなぜしなかったのか。少ないから大きいところにという考えはあまりにも浅はかだ」と指摘した。
新田健夫委員が「皆さんの話は琴線に触れない。どうしても幼稚園が必要とする理由を私たちにも分かるように説明してほしい」と要望すると、出席者は「子どもが行きたいといっているということが1番ではないか。あなたたちが私たちを納得させるのが筋だ」とあきれ顔だった。
仲大盛秀彦委員は「地域に幼稚園を残そうという視点ではなく、子どもたちのことを第一に考えて決めた」と説明。なぐら幼稚園に子どもを通わせている女性は「見てもいない人に『子どものために』といわれたくない。まず来て、20分でもいいので見てほしい」と憤った。
名蔵で幼稚園から中学校まで出た男性は「大人の都合で一方的に決められては子どもが大きくなった時、戻って来ないかもしれない。(私も)自信を持っていい島だから帰ってこいと言えない。幼稚園をなくさないでほしい」と涙ながらに嘆願した。
意見交換会は約2時間に及び、石垣教育長は「地域の意見を聞けたことをうれしく思う。再度休園に関する規則に関してしっかり検討したい」と述べた。
この日の意見交換会には仲山久紀委員が仕事の都合で欠席。26日は川原小体育館、30日は平久保小体育館でいずれも午後7時から行われる。
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