竹富町、小中一貫導入へ 教育充実狙い来年度から
義務教育9年間の児童生徒の発達を見通した教育の充実を図ろうと竹富町教育委員会はこのほど、「小中連携・一貫教育基本方針」を策定した。教職員が教育目標を共有して教育課程の編成と指導計画の作成を行い、学習指導や生徒指導に組織的、系統的に取り組むのがねらい。町内の全小中学校での実施を計画しており、17年度から実践校を指定するなどして同方針を推進していく。
同方針では▽小中学校の教員相互協力関係を構築し、学習指導や生徒指導など、日常的な交流を図る▽小中学校の児童生徒が積極的に交流し、よりよい人間関係を構築する—など4項目を掲げている。
全13校のうち7校が小中併置校の竹富町では、小中連携教育が自主的に進められているが、教職員が2~3年で異動の対象になることから、連携・一貫教育について教職員の認識に差が生じているのが現状。
全校で取り組むことで、教職員が見通しを持って子ども一人一人の個性や能力を伸ばし、国際社会や地域社会で活躍する児童生徒を育成していきたい考えだ。
地域性の実態を考慮し、既存の校舎を利用。「小中一体型」として竹富、小浜、黒島、波照間、船浮、鳩間の6小中併置校、「中学校ブロック型」として▽大原中、大原小、古見小▽船浦中、上原小▽西表小中、白浜小ーの3ブロックで進めていく。
現行の「六三制」が基本で、小学1年から中学3年までの学年区分は従来通りだが、教育区分は①前期(基礎・定着期、小学1~4年)②中期(連携・活用期、小学5年~中学1年)③後期(充実・発展期、中学2~3年)—に分けて指導する。小学校から中学校に上がる中期は特に重視し、滑らかな接続を図るために指導方法や教育活動を工夫する。
教職員が異校種の学校で決まった時間に授業を行う乗り入れ授業も実施する計画で、小中どちらでも授業ができるよう兼務辞令を発令する。
竹教委では期待される効果として▽小中学校教職員の相互協力関係の構築による児童生徒理解や、指導方法改善意欲の高まり▽専門性を生かした授業の実施と教職員交流による児童生徒の学習意欲と学力の向上—などを挙げる一方、▽教員の協働体制の構築▽管理職の方向性の一致と教務など中堅教員のリーダーシップ▽乗り入れ授業を充実させるための時間割の工夫—などを課題としている。
竹教委教育課の前三盛敦課長は「児童生徒が主体的に課題の解決法を見つける学習プロセスが重視される中で、方針を打ち出せたのはいいタイミング。実践校には視察などもしてもらいながら、一緒に推進していきたい」と話している。
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