ヤシガニ800個体確認 竹富町、保護条例向け調査
ヤシガニの乱獲防止などを目的にした保護条例の制定を目指している竹富町が8月末から10月末までヤシガニの生息実態調査を実施したところ、有人8島全体で推定約800個体の生息が確認された。町独自で生息数を調べるのは初めて。今後、個体の大きさや雌雄の分類などを調べ、来年2月末までに報告書をまとめる。町はこれを踏まえ、各島々で説明会を開催し、住民の意見を参考にしながら条例素案の作成に着手する方針だ。
調査は、民間業者に委託して実施。繁殖期を含む3カ月間、活動が活発になる夜間に行った。個体数は、西表島で約330と最も多く、小浜島で約10と少なかった。由布島では確認できなかった。
町は、住民説明会で各島・地域の状況を説明しながら捕獲の制限や保護区の設定等を検討する。すでに同様の条例を施行している石垣市と宮古島市、多良間村の事例も参考にしながら関係各課と調整していく考え。
町内のヤシガニは、隣接する石垣市への持ち込みが懸念されており、町農林水産課の田代仁課長は「石垣市の条例と併せて効果的なものにしていきたい。各島、地域の意見を聞いて取り組みを進めていきたい」と話している。
ヤシガニは、陸上に生息する甲殻類としては最も大きい種。環境省が「絶滅の危険が増大している種」に当たる絶滅危惧Ⅱ類に分類している。
ヤシガニは島々では古くから地域住民に食され、伝統文化とも強い結びつきを持つ一方、近年は地域特産の食材として注目され、入域観光客の増加に伴って消費が進み、乱獲されている現状がある。
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