マングローブ除去、中断 町民が所有権主張
【与那国】田原川の氾濫の一因になっているとして、町は11月12日から河口付近に繁茂する樹木やマングローブ林を除去する作業を開始したが、マングローブを植え続けてきたという町民の一人が所有権を主張したため、中断を余儀なくされている。町まちづくり課(前大舛和夫課長)は「植栽にはさまざまな団体、個人が関わっているため所有者を特定するのは難しく、対応を検討している」と頭を痛めている。
田原川は土地改良事業に伴って人工的に造られた延長1292㍍の2級河川。東側を流れる川が本流となっており、河口付近で田原川と合流している。町は、本流の流れが悪くなっている原因の一つにマングローブ林を挙げている。町まちづくり課によると、ことし4月19日の大雨でも、本流からあふれた水で上流が氾濫したという。
同課によると、マングローブ林がある場所は、地番のない国有地の「白地」。白地は、市町村が機能管理を行うことになっていることから、町は河川機能を回復させようと、白地にあるヒルギなどの樹木を町有地や民有地の境界まで除去しようと計画している。
これに対し、マングローブの所有権を主張する東崎原(あづま)敏夫さん(67)=祖納=は「田原川の氾濫の原因はマングローブ林ではなく、浮草のホテイアオイではないか。ことし初めにホテイアオイが撤去されたから、台風の大雨でも氾濫しなかったのではないか」としている。
東崎原さんによると、田原川から悪臭が漂うようになったことから、「田原川にもう一度きれいな流れを取り戻そう」と1991年ごろからヒルギの植栽を開始。寄付を受けたり、ボランティアに協力してもらったりして植え続けてきたという。
詳細な面積、本数は分かっていないが、マングローブ林はおよそ300平方㍍にわたって広がっているものとみられる。
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