緊急防災・減災事業債活用へ 石垣市の新庁舎建設
高台移転や耐震化など地方自治体の津波地震対策を財政支援する総務省の緊急防災・減災事業債が2020年度まで4年間延長されることが23日までに正式に決まり、石垣市の庁舎移転で確実に活用できる見通しがついた。16年度で終了する予定だったため、市は来年3月までに工事費を申請するため実施設計業務の作業を急いでいたが、事業の延長で時間をかけて設計内容を精査することが可能になる。現状の役場移転の進捗(しんちょく)では同事業債の活用が困難となっていた与那国町、竹富町にも朗報だ。
同事業債制度は、東日本大震災を教訓として設けられたもので▽災害対策拠点となる公共施設の耐震化▽地域防災計画で津波浸水想定区域内からの移転が必要と位置づけられた公共施設ーなどが対象。延長に伴って対象事業が拡充され、指定避難所の空調、Wi—Fi、消防の広域化・共同化に伴う高機能指令センターの整備などにも使えるようになる。
同制度では、地方債の100%を同事業債で充当でき、元利償還金の70%が地方交付税として戻ってくるため、市町村の実質負担は30%となる。
市の場合、基本構想の段階で仮庁舎の費用を含む建設費は約64億円が見込まれていることから、同事業を活用すれば市の負担額は実質約39億円となる。
石垣市の新庁舎は、海抜約26㍍の旧空港跡地に建設される計画。市は事業債の活用に向け、本年度で実施設計を終えて工事費の申請を行うというタイトなスケジュールをたてていたが、庁舎建設室は「庁舎建設のスケジュールの延長を検討したい」(大城智一朗室長)と歓迎、実施設計作業の日程の見直しに着手する予定だ。2017年度中の、18年度から19年度の開庁計画は変わらない。
与那国町は与那国中学校東の海抜18~23㍍、竹富町は大原の海抜約10㍍の高台への移転に向けた作業を進めている。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。