「優良農地の保全を」 石垣市農業委
前勢岳ふもとの外山田などでのゴルフ場付きリゾート開発計画をめぐり、21日の石垣市農業委員会(新城純会長、23人)の総会で、優良農地の保全と土地利用のあり方について県の指導を求める要望書案が委員から提出され、来年1月の総会で議題として取り扱うことを全会一致で決めた。提案者は「この土地は現在も草地として利用されており、補助事業として血税を使った優良農地が事業の趣旨を大きく逸脱し、農地以外に利用されることは重大な事態」と指摘、他の委員からも「農地を守るのがわれわれの仕事だ」と賛同する声が上がった。
石垣市は同地でのゴルフ場開発を推進しており、独立した行政委員会の農業委がこれに反対した場合、農地法など関係法令のクリアが一段と困難になることが予想される。
開発予定地は、元県肉用牛生産供給公社の土地。公社の解散後、牧草地や採草地、牛舎を含む外山田団地83.9㌶は2004年、「農地法第3条適格者で畜産関係補助事業の趣旨を継承できるもの」に限った競争入札で民間に払い下げられた。これに伴い、市農業委も農地法3条に基づく所有権の移転を許可した経緯がある。市農業委によると、このため、企業に売り払われた後も、山林・原野を除く多くの土地の所有権は仮登記のままとなっている。
同開発を推進する石垣市は11月24日、企業有地周辺を含めた開発予定地119.7㌶を、土地保全・利活用計画の開発需要がある場所に追加した。同計画への位置づけは、農振除外を申請する際の要件の一つ。これを受け、中山義隆市長は翌日の25日、JA八重山地区本部など経済6団体の代表らと県庁を訪れ、各種法例手続きに配慮を求める要請を行っている。
これについて総会では「農地を守るべき立場のJA本部長がゴルフ場開発を促進するのはおかしい」「市はどんどん進めようとしている。農業委員会が後手に回ってはいけない」「農地法3条で払い下げられた土地がゴルフ場にされようとしている」などと早急な対応を求める意見が上がった。
新城会長は「今日出てきた案なので、議題として取り上げるのは大きすぎる。状況を掌握し、農地班、農政班にもかけて内容をチェックし、1月に総会に諮りたいがどうか」と述べ、承認を得た。
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