機能強化で就航便増 ANA、支援機材を無償提供
【与那国】与那国町(外間守吉町長)は与那国空港の機能強化に向けてチャーター便の就航などに必要な旅客搭乗用ステップ車や高圧エアースターター装置(ASU)などの地上支援機材を全日本空輸㈱(ANA)の協力を得て常備を進めていることが9日までに分かった。町側はこれにより、県外からのチャーター便の就航を増やし、誘客とジェット機の運航などを見据えている。本年度の入域観光客数4万3000人を掲げる同町は「支援機材を来年2月末までに用意して3月に就航するチャーター便に対応したい。空港の機能強化で他のチャーター便誘客にも幅が広がる」と期待した。
与那国空港はこれまで、地上支援機材が常備されていないことで県外航空会社からチャーター便のキャンセルや運航会社が支援機材を民間航空会社からレンタルして対応していた経緯がある。
与那国町は観光産業の活性化に向けて現状の打開策を模索するなか、ANAが支援機材の無償提供を決めた。
町はすでにASUの石垣から与那国までの海上輸送費約45万円を盛り込んだ補正予算案を開会中の12月定例町議会に計上しており、残りの支援機材運搬費についても検討している。
支援機材の無償提供にANA石垣支店の菅隆宏支店長は「八重山圏域の観光に貢献するため機材の提供を決めた。各空港で機材確保に向けて動いており、石垣までの輸送費は我々が負担する計画。2月末までに間に合わせたい」と話した。
来年3月に㈱フジドリームエアラインズ(本社・静岡市、FDA)が県外から与那国へ18本(最大約1400人)のチャーター便運航を予定しており、9日午前、町役場でFDAチャター事業部の青山修一部長と酒井潤也氏が外間町長と面談。
チャーター便の継続就航に向けた運航支援と地上支援機材の配置を要望したFDAに対し町側は就航までの機材準備を明言した。
FDAの酒井氏は「町側は要望以上の対応を示しており、運航に支障は無い。継続就航に弾みがつき、与那国町の観光入域に貢献したい」と喜んだ。
町の担当者は「ANAの意向を踏まえながら準備を進め、輸送費用の予算を調整したい」と述べた。
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