西表温泉施設1月開業 露天風呂付き国内最南端の湯
【西表】西表島と石垣島でホテルを運営する㈱南風見観光(本社・竹富町南風見、齋藤工代表取締役)が2017年1月に同社が西表南風見で運営するホテル「ラ・ティーダ西表リゾート」(客室数32室)隣接地に国内最南端の温泉施設を開業することが1日までに分かった。南十字星を眺めながら露天風呂が楽しめるとして湯名は宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の登場人物にちなんで「西表島温泉カンパネルラの湯」として開湯する。島内の温泉事業は㈱東部交通が運営する西表島ジャングルホテルパイヌマヤが「西表島温泉」を営業していたが、12年10月に源泉の減少で閉鎖している。(砂川孫優記者)
同社は現在、開業に向けてホテル南側に隣接する面積2600平方㍍の同社所有地に2階建てコンクリートブロック造、延べ床面積358平方㍍の温泉施設を建設しており、年内の完成を目指す。温泉事業全体の総工費は約1億2000万円。
施設内は男女別に内湯用の浴槽と露天風呂を完備。眺望が特徴な露天風呂では西表島の海や波照間島を眺めることができ、夜には南十字星を見ることが可能。併設するサンデッキでは日光浴や夕涼みも楽しめる。
温泉の泉質は単純温泉、湧出量は毎分2.7㍑で泉温は29度。カルシウムやナトリウム成分を多く含んでいることから神経痛や関節痛、疲労回復などの効能があるという。
同社は「西表島温泉」が閉鎖したのを受けて、国内最南端の温泉施設を計画。開発は14年11月に県へ温泉掘削許可申請後、同年12月に許可。15年4月から本格的な温泉掘削作業に着手して3カ月後に温泉が湧出した。
国内最南端の温泉地として大原や南風見地域の活性化を狙う齋藤代表(67)は「西表島は役場移転や世界自然遺産登録を控えるが、自然環境に配慮した新たな観光スポットに期待。ホテルと温泉が一体となった施設に観光客の流れをつくることで地域産業に波及効果を生みたい」と語った。
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