八重山芸能の継承者 育成の仕組みづくりを
- 2016年11月23日
- 地域・教育
【那覇】八重山芸能の継承者の育成に向け、地域社会や行政、教育機関ができることは何かをテーマにした第1回座談会が21日夜、那覇市にある県立芸術大学首里金城キャンパスで開かれ、琉球大学の大城學法文学部教授を座長に同大学の波照間永吉名誉教授、八重山芸能史研究家の大田静男氏、沖縄国際大学の狩俣恵一総合文化学部教授が意見交換、課題を探った。
沖縄文化振興会の沖縄文化活性化・創造発信支援事業に関する「実演家と連携した八重山芸能人材育成事業」として白保企画(横目博二代表)が主催した。
座談会の冒頭で横目代表が、八重山出身者が県芸大に進学しても八重山芸能を教えるコースがなく琉球芸能を専門に学んでいることを紹介した上で「このままでは八重山芸能が終わってしまうのではと懸念している。卒業後も芸能の勉強をしたいと願う子どもたちの受け皿をどうすればいいのか」と問題提起した。
狩俣氏は「大学で学ぶのも一つの方法だが、八重山の地域でどう継承していくかということをしっかりと考え、継承のありかたそのものを問い直していくべきではないか」と指摘。
大田氏は「(就職の面などで)高校の先生たちは芸大をほとんど勧めないが、芸能を学びたい子どもたちが現れたらそれをかなえる仕組みをつくるべきだ」と提案した。
波照間氏は「芸大の場合は、自分たちの流派以外も学ぶことで(自分たちの流派を)客観的に見る力が付く。そこが研究所と大学の違いだ」と述べた。
第2回は地元の芸能関係者も交え、12月25日午後2時から石垣市老人福祉センターで一般公開で開かれる。主催者では市民の参加を呼び掛けている。問い合わせは、白保企画(0980—86—7885、shirahokikaku@gmail.com)まで。
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