指定予定範囲確定せず 旧大浜町浄水場跡地
石垣市宮良高山原の市有地内にある旧大浜町浄水場跡と周辺について文化財審議会(石垣博孝委員長、10人)から文化財に指定して保存・活用を求める建議書が提出されているのを受け、指定予定範囲の確定に向け調査を進めている市教育委員会が16日に、県八重山土木事務所と市長部局に業務への支障があるかどうか確認を求める教育部長名の意見照会文書を提出したことが分かった。指定予定範囲はまだ確定しておらず、担当の文化財課は「調査の一環で事前に、各課の業務への支障の有無を知っておく必要がある」と説明している。回答期限は22日。
指定予定範囲が確定していないため、意見照会の対象地は高山原1159番地の旧大浜町浄水場跡地周辺となっている。予定範囲が確定した後に再度、意見照会をするかどうかについて同課は「回答をみて判断する」としている。
同地では旧浄水場の事務所、ろ過池、配水池、滅菌室、送水管、石積みなどが確認されている。県のアクセス道路工事区域内には事務所を除く施設が入っているほか、貴重動植物も確認されている。
審議会の建議書は、新川大座原にあった石垣市の旧浄水場がすでに取り壊されたのに対し今なお現存する大浜町浄水場を「大浜町が残した遺産として全県的にも歴史的な価値が付加されるべき施設」と位置づけ、「後世に残し、伝えるべきだ」と文化財指定を求めている。
同地内でアクセス道路のルートを設定している県八重山土木事務所は▽アクセス道路の予定区域として2010年11月に認定され、現在は近傍の用地買収も済んでいる▽フルスト原遺跡を避けた現ルートに決定していることから変更はできない状況にある—などとし、「当施設が文化財に指定された場合、2019年度末の石垣空港線供用開始が大幅に遅れるのは必至」と懸念を表明する文書を市教委に提出している。
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