登野城の大胴・小胴 14日に春日大社奉納へ
能楽の発祥地で初上演も 保存会の新城会長ら6人 「大変光栄」と意気込む
石垣市登野城の「大胴(うーどぅ)・小胴(くぅーどぅ)・太鼓の段のもの」が14日午前11時から、奈良市の春日大社で執り行われる第60次式年造替(しきねんぞうたい)の祝奉行事で奉納される。能囃子(ばやし)が江戸時代に伝わったとされる伝統芸能。能楽のルーツの地、奈良で初めて上演されることになり、保存会(新城浩健会長)の6人は「一生懸命頑張る」と意気込んでいる。
能楽は、奈良で生まれて650年。徳川幕府の式楽に制定されたことで全国に広がり、北は東北、南は八重山にまで伝わった。
登野城の能囃子は、大胴(大鼓)、小胴(小鼓)に太鼓が加わった3楽器で演奏するもので、市の無形民俗文化財に指定されている。
春日神社での奉納は、能楽大倉流小鼓方十六世宗家で「大鼓・小鼓」の伝承を支援する大倉源次郎さんが「北に伝わった能楽とともに南の能楽文化も」と働きかけ、琉球王家の尚圭子氏の協力で実現することに。東北に伝わった能楽は13日、山形県鶴岡市・春日神社の国重要無形民俗文化財「黒川能」が奉納される。
登野城から出演するのは大胴の新城会長(68)、小胴の新城貞美さん(62)、太鼓の小波本康夫さん(64)の伝承者3人と、上地宏典さん(30)、新城弘康さん(45)、平田直彦さん(30)の後継者3人。
新城会長は「初めて能楽の発祥地で上演するのではりきっている」、平田さんは「60次の記念というすごい巡り合わせと感じており、大変光栄に思っている。一生懸命頑張りたい」と話している。
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