宿泊施設の供給不足改善を 必要分野への設備投資重要
沖縄振興開発金融公庫・川上新理事長
今月1日付で沖縄振興開発金融公庫の新理事長に就任した川上好久氏と前理事長の譜久山當則氏は12日午後、八重山毎日新聞社を訪れ、郡内の経済動向について展望した。川上氏は「八重山は新空港開港後、国内観光客の伸びとアジアからのインバウンドが増加し、県内の景況をリードした。この勢いは持続するが、宿泊施設の供給不足が改善すればさらに大きく変化する」と期待感を示した。
同公庫八重山支店(山城興司支店長)の2015年度の融資実績は、新空港開港後の好調な観光産業を背景に過去4番目の63億4900万円と、2年連続で60億円を突破した。
この動きに川上氏は「離島地域を含め、安心して(融資に)手を伸ばす動きがある」とし、「(入域客数の)勢いが途切れる印象はない。新空港国際線の改修は今後も(観光産業が)伸びる要素」と期待を寄せる。
昨年、入域客数が足踏みした状況に譜久山氏は「地元宿泊施設が不足している。八重山であふれた観光客の一部が宮古に移行した。機会損失を生み、ビジネスチャンスを逃がしている」と指摘。客室増が改善策となる見方には「増やせばよいというものではない。LCCの就航と海外インバウンドで増えた新しい客層を分析して必要な分野に設備投資をすることが重要」と述べた。
川上好久(かわかみ・よしひさ)1954年2月22日生まれの62歳。名護市出身。大阪大卒。77年に県庁へ入庁。企画部長、総務部長などを歴任。2013年から副知事を務め、14年12月に辞任。15年4月に同公庫理事に就任した。
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