八重山漁協、累積赤字を解消 1973年の合併後初
八重山漁協(上原亀一組合長、組合員328人)は2015年度決算で2111万円の黒字を出し、累積赤字2082万円を解消した。差し引き29万円を次期繰越余剰金として確保した。24日午後、市民会館中ホールで開いた2016年度通常総会で報告した。八漁協によると、累積赤字が解消されるのは1973年3月に石垣市、鳩間、西表の3漁協が合併して八漁協が誕生して以来、初めて。
八漁協は1993年度決算で、バブル景気などを背景にクルマエビ養殖事業が好調に推移するなどして累積赤字を1800万円まで縮小したが、その後、バブル崩壊に伴う同事業の不振などで2001年度には6億8000万円という過去最大の赤字を抱えた。
これを受け、八漁協は同年度から財務改善計画をスタートさせていた。今後さらに経営改善が進めば、独自事業の展開など自主性が担保されることになる。
15年度の事業報告によると、事業総利益は9903万円で計画1億265万円の96・4㌫にとどまったが、県・市・竹富町による輸送費補助(農林水産物流通不利性解消事業)などの事業外収入の増加で当期余剰金が2111万円と計画1122万円を88.1㌫上回り、繰越欠損金を解消できた。
輸送費補助により、メーンの市場販売事業への集荷率が向上し、手数料収入が増えたという。受託販売は取扱高が計画900㌧、6億2400万円に対し1560㌧、10億1044万円とそれぞれ73%、62%の大幅増となった。
上原組合長は「本年度も不利性事業を活用し、国内主要都市市場への販路拡大に努めるとともに、複合的な共同加工処理施設を活用して安心・安全な水産物の供給と付加価値商品の開発に取り組み、漁業経営の安定化を図っていきたい」と述べた。
総会ではこのほか、竹富町の海底送水管更新工事、石垣港湾事務所の竹富南航路浚渫工事に伴う岩礁破砕についても承認した。
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