公園整備来年度完成へ フルスト原遺跡
国指定史跡フルスト原遺跡の崖下約3000平方㍍に駐車場付き公園を石垣市が整備する大浜地区歴史遺産活用事業は、来年度に工事が行われ、同年度内に完成する見通しとなった。当初は本年度で工事を行う予定だったが、用地取得に時間を要しているため、来年度に先送りすることを決めた。2015年度当初予算に計上していた工事費3737万円は12月定例会に上程している一般会計補正予算案で減額している。 市教育委員会文化財課によると、同事業は2013年度から3カ年を計画したが、一部の用地が取得できていないため、4カ年計画に変更した。用地については年度内に取得できるメドがついているという。
同課によると、フルスト原遺跡は標高25㍍にあり、崖下の「カンドウ原」といわれる場所には600年前から利用されていたと考えられる降り井戸、大浜村の象徴だったとされる大底御嶽など貴重な歴史遺産がある。
公園には30~40台分の駐車スペース、芝生広場などのほか案内板などを整備し、周辺の歴史遺産を活用しながら崎原公園内の津波石までのルートを散策路として利用していく考え。
崖下にはフルスト原遺跡に通じる道があるが、現在は樹木に覆われて利用できなくなっているため、市は公園整備に合わせて樹木を伐採、ロープを設置するなどしてアクセスできるようにする予定。将来的には、文化庁と調整して階段などの工作物を設ける考えだ。
【フルスト原遺跡】1978年3月3日に国指定の史跡となった。12.3㌶の指定面積に15基の石塁遺構(石積み)が確認されており、市教委が復元作業と発掘調査を年次的に進めている。大浜の英雄オヤケアカハチの居城ともいわれている。これまでの発掘調査により、アカハチが活躍した15世紀後半の100年ほど前から遺跡が存在していたことが分かっている。
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