観客沸かせるオホホ 祖納と干立で伝統の節祭
国指定重文
【西表】国指定重要無形民俗文化財で500年以上の伝統を誇る西表島祖納と干立の「節祭(シツィ)」が20日、集落を挙げて行われ、1年間の豊作に感謝し、来年の五穀豊穣(ほうじょう)と住民の繁栄を祈願した。
両地区では、アンガー行列やミリクトゥリムチ、狂言やオホホなど独特の民俗芸能が繰り広げられ、地元住民や郷友会員、観光客ら大勢の人々が古式ゆかしいまつりを堪能した。
祖納公民館(屋重美館長)の節祭は午前中に公民館でスリズの儀式を行った後、ミリク行列が集落内を練り歩いて前泊海岸に向かい、ヤフヌ手やミリク・アンガー行列などの舟浮かべ儀式を挙行。
ミリクが船元の御座に着くと、狂言や奉納舞踊をはじめ、ユークイ儀式(爬龍船競争)や巻踊りが次々と繰り広げられ、見物客は振る舞われた牛汁に舌鼓を打ちながら伝統行事を楽しんだ。
干立公民館(小波本致治館長)の節祭は干立御嶽前の浜で潮の満ちた正午すぎに始まり、大勢の地域住民や郷友会員らが櫂(かい)を手に「ヤフヌティ」を奉納した後、ユークイ儀式を行った。
続いて、御嶽の境内で狂言やアンガー踊り、児童生徒、青年らが棒術を披露。ミリク加那志のミヤ(境内)巡回では途中、干立独特のオホホが登場し、ユニークなしぐさで観客を沸かせた。
この日は好天に恵まれ、両会場には沖縄本島や石垣市内からも多くの郷友会員が節祭に参加し、地域の伝統行事に酔いしれた。
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