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数の暴力で「戦争する国へ」

安保法案、国民の理解得ぬまま強行採決

 ■「戦争法案」大多数ノー

 日本が世界に誇る平和憲法が踏みにじられ、戦争する国家に大きくかじを切った。17日、「戦争法案」と言われる安全保障関連法案が、参議院特別委員会で鴻池祥肇委員長不信任案否決と同時に野党の抗議するなか、自民党、公明党などによって採決された。鴻池委員長は「審議は尽くされた。強行採決ではない」と述べ、そのうえで政府側の答弁に「不備な答弁が目立ったような気がする」と語った。

 鴻池委員長の発言は見識を疑う。政府の答弁に矛盾や曖昧さを残しながら、数の暴力で採決したことは、憲政史上最大の汚点であり、良識の府は死んだといってよい。

 与野党の激しい対立、これまで政治に無関心といわれた若者たちのシールズ、若い母親、組織をもたない市民たちが法案廃止を求めてデモや集会を国会周辺で連日のように行い、全国的に広がっているのはなぜか。憲法をなし崩しにして自衛隊が米軍と行動を共にすることができる集団的自衛権行使への危機感からであろう。

 ■二転三転の答弁で詭弁露呈

 日本国家が重大な岐路に立つとき、政府は国民に向け不備な答弁で済まされるだろうか。安倍首相や中谷防衛大臣の説明や答弁を聞けば聞くほど疑問は増し、詭弁(きべん)やまやかしと国民の目に映ったのではないか。安倍首相はイランによる中東ホルムズ海峡における海上封鎖を念頭に機雷掃海の必要性を強調していたが「現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定しているものではない」と述べ、国会で集団的自衛権行使の例として挙げていたのを自ら否定した。中谷防衛大臣は、答弁が二転三転し審議は中断した。

 法案は世論調査においても国民の大多数が反対し、安倍首相自身も国民の理解は得られていないと認めた。法案が実施される中で国民に理解が広まるとも述べている。

 これは、国民主権に反する国家主義的な危険な発言である。

 法案は憲法学者や元最高裁長官から「集団的自衛権行使は違憲」といわれ、多くの疑問を残しながら、なぜ強行採決をしなければならないか。

 安倍首相は4月、米国連邦議会における演説で集団的自衛権を可能とする安全保障法案の今夏成立を約束した。それを果たすための強行採決だとすれば対米従属、国民への背信と言わざるを得ない。

 集団的自衛権や抑止力があるから国民の生命財産や憲法も守ることができるという逆立ちした議論がある。中国や北朝鮮脅威論がその背景にあるとはいえ、日本が戦禍に巻き込まれる危機的状況にあるとは到底思えない。切れ目のない法整備というが、国論を二分するような法案は憲法改正を国民に問うた後に論議すべきであろう。

 ■防衛装備庁設置で軍国主義復活

 憲法改正は自民党の党是であり悲願である。安倍首相にとっても念願である。法案成立により憲法の平和精神を骨抜きにしたが、現在も憲法は国家の最高法規であることを忘れてはならない。日米同盟強化はただちに沖縄の基地強化につながる。辺野古新基地建設も強行するであろう。尖閣問題を抱える石垣市への自衛隊配備も時間の問題だろう。

 法案が国会で論議されている9月15日、閣議で10月1日に防衛装備庁を発足させることが決定された。防衛装備庁は陸・海・空の自衛隊が別々に行っている装備品の調達や、研究開発、輸出を一元的に管理し、コストの削減や効率的な防衛力整備を図るという。経団連は武器輸出を国家戦略とすべきと提言している。日本は軍国主義復活へ大きく踏み出したといえる。

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