久宇良リゾート計画、足踏み続く 着工は困難
開発予定地の一部が西表石垣国立公園の拡張案に含まれている久宇良リゾート計画は、県の開発許可を得ているものの、資金難などで頓挫して以降、現在まで宙に浮いた状態が続いている。開発予定地内の市有地を貸し付けていた石垣市が事業の進展がないことなどを理由に賃貸借契約を解除していることから、現段階では計画通りの着工は極めて困難となっている。
久宇良リゾートは、1992年4月に設立された事業者が、久宇良地区の約133㌶で、国道を境に山側にゴルフコース18ホール、海側にホテルやマンション、コテージなどを計画したもの。
現計画では2002年5月に県の開発許可を取得。開発予定地のうち農業振興地域にかかる121.7㌶については、市が同年10月18日付で、農村活性化土地利用構想に基づき、県の同意を得て農振地域から除外している。
開発予定地内には約26㌶の市有地があり、市は1999年1月8日から同社に貸し付けてきたが、開発計画に基づく土地利用の実態がなく、貸地料の未納も続いているとして、2010年3月末で契約を解除した経緯がある。
登記簿によると、事業者は07年11月に美崎町から新川に移転したが、事務所はない。9日、石垣市役所を訪ねた事業者オーナーの代理人によると、休眠状態になっているという。
開発許可の権利を第三者に移譲する可能性について代理人は「相手のあることなので私からは何とも言えない」と述べるにとどめた。
開発予定地内の一部はサガリバナ群落が自生する場所。環境省は、県と市の同意を得て国立公園に追加する変更案をまとめ、8月25日からパブリックコメント(意見募集)を行っている。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。