EV船、8月1日から運航開始 付加価値ある観光目指す
バンダイナムコグループの㈱VIBE(本田耕一代表取締役社長、ヴァイブ)などが県の一括交付金を活用して建造した国内最大級の電気推進式遊覧船「vibes one」(ヴァイブス・ワン、全長19.9㍍、全幅6㍍、19㌧、定員32人)は8月1日から石垣港離島ターミナルを拠点にチャータークルージングを開始する予定だ。地元経済人らで設立する石垣マリンプロジェクト(代表・山田吉彦東海大教授)=石垣市美崎町=が運営を管理、地元企業の㈱トムソーヤ(宮里安一代表)に運航業務を委託する。
EV船は1月に石垣港に導入。これまでトムソーヤが試験運航を重ね、6~7ノットで2、3時間継続して航行できることを確認。同ターミナル屋上の陸上電源基地(太陽光パネル)から送電し、EV船に充電する施設も岸壁に整備されるなど、運航に向けた体制も整った。
県の交付金事業の助成期間は来年3月までとなっており、同プロジェクトはこの間にクルージング事業を軌道に乗せたい考え。山田教授は「付加価値のある観光を目指したい」と話す。ツアー客については、地元の観光関連業者を通して確保したいとしている。
同船は空調完備の旅客室、トイレ・シャワー室、海中展望室、シュノーケリングやダイビング用のステップなどを完備している。騒音や排ガスがないため、ヨットのような乗り心地で、デッキで音楽を聴き、会話も楽しめるなど、クルージングに適している。
同プロジェクトは19日、関係者を招いて乗船体験をしてもらい、「ヨットに乗っているみたい」「音がなく会話ができる」「十分、商業ベースに乗せられるだろう」などの感想があった。
同船と電源基地は、自立型地域エネルギー基盤の研究開発として整備。総事業費は約5億5000万円。
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