タイマイ、屋久島付近で確認 3年前に黒島で放流
名古屋港水族館と黒島研究所 「生態解明へ大きな一歩」
2012年5月に竹富町黒島で放流したタイマイ38頭のうちの1頭が今月19日、鹿児島県屋久島付近の海を泳いでいることが確認された。放流は名古屋港水族館(日登弘館長)と黒島研究所(若月元樹所長)の共同研究「タイマイ野生復帰プロジェクト」で行われたもので、今回の確認について同水族館は「タイマイの今後の生態解明に大きな一歩となる」、同研究所は「タイマイが自然に産卵できる環境を維持することも大切」とそれぞれ話している。
同水族館は世界で初めてタイマイの施設内産卵に成功するなど、ウミガメの繁殖に力を入れてきた。黒島研究所は国内初のタイマイの産卵確認を行うなど、旧八重山海中公園研究所時代を含めて約40年間にわたってウミガメの産卵調査を続けている。
今回のプロジェクトは施設内繁殖に続くステップとして野生復帰を目指して実施。09年に同水族館で産卵・ふ化した後、黒島へ運んで放流していた。
屋久島のダイビングガイド、中村圭祐さんが今月19日に撮影。施設内繁殖のタイマイが放流され、約3年経過した後に生存を確認するのは今回が初めて。
タイマイはサンゴ礁海域に生息するウミガメで、甲羅の美しさからべっ甲の原料や、剥製として利用されてきた歴史がある。
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