作業員確保が難航 サトウキビの刈り取り
【西表】西表製糖工場の建築工事の遅れで操業開始が3月中旬にずれ込む事で、西表島東部地区では、農家が昨年までサトウキビの刈り取りを依頼していた季節作業員に今期の刈り取りを断られるケースが相次いでいる。竹富町農林水産課(野底忠課長)ではホームページで刈り取り作業員を募集しているが申し込みはなく、操業開始を約2カ月後に控え、作業員の確保が大きな課題となっている。
西表東部地区の60代の農家の男性によると、例年4人ほど刈り取り作業員を確保しているが、今年は操業開始が3月にずれ込んだことですでに2人に断られ、1人は「検討中」と、作業員の確保が難航している。
東部地区の農家などによると、刈り取り作業員らは独自のネットワークで夏場は山梨や長野県の高原野菜、秋ごろは近畿・中四国地方のミカン、冬場はサトウキビの収穫を手伝っている、という。
西表島では今期、刈り取り作業が6月までずれ込む事を懸念して早めに高原野菜の収穫に向かう人もおり、大学生のアルバイトも「今年は3月中旬からなので学生は期待できない」と男性は肩を落とす。
例年3人に刈り取り作業を依頼している別の農家の男性(30代)もすでに2人に断られ「波照間島の知人の農家にお願いして波照間の刈り取り終了後に1人来てもらうが、最後までは居られないということだった。人を探せない」と頭を抱える。町農林水産課では郡内の他工場に依頼し、操業終了後に刈り取り作業員を西表島に来てもらうように誘導したい考えで、野底課長も「4月以降の刈り取り作業員に関しては、段階的にでも一定の割合で賃金の助成ができないか工場と詰めている」としている。
大嶺高輝係長も「3月から5月にかけて、各島の刈り取りが終わった農家に西表島での刈り取りをお願いできないか呼びかけている」と話しており、刈り取り作業員の確保が今後の課題となっている。
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