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八重山伝統舞踊保持者の追加認定を

なぜ保持団体がないのか

■民謡は18人で保持者団体組織

 先日、沖縄県指定無形文化財八重山伝統舞踊の保持者、山森喜代子師匠がお亡くなりになられた。

 八重山伝統舞踊の継承発展に尽力され、喜扇会を組織し、子弟の育成にも大きな功績を残された。ご冥福をお祈りしたい。

 さて、八重山の伝統舞踊や古典音楽界は、地元新聞社や一部県紙の後押しもあり、活況を呈している。八重山古典民謡は1983年、沖縄県無形文化財に指定され、大濵安伴、玉代勢長傳両氏が保持者として認定された。 八重山伝統舞踊は2004年に森田吉子、山森キヨ、本盛ヒテ、宇根雪子の4氏が保持者に認定された。

 大濵、玉代勢長傳両氏は保持者団体として八重山古典民謡保存会を結成され、その後、追加認定を加え、現在18人で構成されている。保持団体名も一方の会派の名称と紛らわしいとして現在は、八重山古典民謡保持者協会(玉代勢長傳会長)と変更している。協会では発表会も数回行っている。

 

■舞踊は流派間の確執で閉鎖的?

 一方、八重山伝統舞踊は保持団体も結成されていない。追加認定も10年間ない。県指定の芸能関係で保持者団体がないのは、八重山伝統舞踊だけである。

 なぜ、保持者団体が結成されないか。理由は明確ではないが、会派や流派間の思惑や確執でもあるのだろうか。

 琉舞をはじめ各保持者団体が日頃の研究成果を発表したり、養成講座などを通して研さんを積んでいるのに対し、八重山伝統舞踊界は流派や会派間の交流も少なく、閉鎖的で切磋琢磨(せっさたくま)ができないとの不満や弊害が若い舞踊家や地謡、芸能研究者等から指摘されている。

 同じ流派間でも合同研修会などがないため、型に対する共通認識や差異等の確認もなく、そのため「手」の違いも見受けられる。これでは何のための指定かという懸念の声が聞かれるのも当然であろう。

 舞踊人口が増え、組織が肥大化していくなか、型を維持していくことは難しく、重要な課題である。型だけではなく小道具、衣装など問題は山積しているはずだ。そのためにも、合同研修や養成講座が必要であることは論をまたないであろう。

 

■組織化と追加認定で継承発展を

 八重山伝統舞踊保持者に認定された師匠たちも90歳前後の高齢の域に達した方々である。その次世代を担う高弟たちも、80歳近い年齢である。前回の認定を受けなかった他の流派や会派の主宰者たちも同じ年代である。その師匠たちをどうするか。沖縄県教育委員会や文化財審議会、それに、保持者たちは早急に検討し追加認定をすべきである。

 そして、保持者団体を組織し研修会や発表会を通して八重山伝統舞踊の継承発展に努めるべきであろう。保持者団体の養成講座や発表会等には県の補助という利点もある。そういう利点も考えるべきである。

 追加認定については、情実にとらわれない慎重さが求められる。かつて八重山古典民謡や琉舞の保持者認定をめぐって流派間の確執があり、県議会に要請したり、押し掛けるなど激しく対立した。八重山伝統舞踊の追加認定ではそのような醜態を演じないよう願いたい。

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