観光の島に自衛隊いらぬ 平和労組団体が抗議
海上自衛隊の練習艦隊4隻(計約1200人)が石垣港に入港するのを前に、平和・労組10団体で構成する平和憲法を守る八重山連絡協議会(渡辺賢一会長)は30日午後、入港に抗議する集会「観光の島がこれでいいの?」を八島小入口交差点近くで開いた。約60人が参加し、市観光交流協会と市商工会が歓迎レセプションの主催団体に加わっていることについて「市民を対立させるようなことをして経済団体が繁栄するのか」などと疑問をぶつけた。
練習艦隊は31日午前9時ごろに入港する予定。練習艦3隻が港湾ターミナル前の岸壁に接岸、護衛艦1隻が沖合に停泊する。約800人の隊員が上陸し、買い物や観光を楽しむという。同日夜には地元経済団体などが主催する歓迎レセプションが市内ホテルで行われる。出港は4月2日午前9時を予定している。
連絡協は「賛成する人と反対する人が対峙(たいじ)する図式になるのはどうか」(渡辺会長)として集会を前日に開いた。渡辺会長が「自衛隊に対する市民の警戒心やアレルギーをなくしていこうという動きが加速している」と石垣島への自衛隊配備を警戒。宮良操市議も「観光や平和とは次元を異にする動きになっている」と指摘した。
市民3人がマイクを握り、「八重山の戦争」の著者である大田静男さんは「ボタン一つでどうにでもなる時代に小さな島を防衛できるわけがない。軍隊は国体(国家体制)を守るもので、何か事が起きれば軍隊の本性が出る。そのときに気づいても遅い」と警鐘を鳴らした。
歓迎レセプションの主催団体に経済団体が参加したことについて大田さんは「ついに(経済優先の)正体を現してくれてよかった」と皮肉を込めて批判。戦争マラリアを語り継ぐ会に所属する西村幸吉さんは「経済団体の代表が自衛隊は災害救助も行っていると言っているが、自衛隊は災害救助隊ではない、軍隊だ。軍隊が平和をつくるとは信じていない」と訴えた。
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