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与那国初の「名勝」指定へ

人頭税の伝承が残る久部良バリ(県教育庁文化財課提供写真)

「久部良バリ・久部良フリシ」
文化審議会が答申

 文科相の諮問機関、文化審議会(宮田亮平会長)は15日午後、与那国町の独特な風致景観で人頭税の伝承がある「久部良バリおよび久部良フリシ」を国指定の名勝に指定するよう文科大臣に答申した。指定は来年3月下旬ごろに正式に官報告示される見通しとなっており、与那国町で初めて、八重山では4件目の国指定名勝となる。同町の崎原用能教育長は「たいへん意義深いことでうれしいかぎり」と喜んでいる。

 同審議会は名勝指定の理由として「わが国の優れた国土美として欠くことのできないもの。自然的な部分において風致景観の優秀なもの、名所としても学術的にも価値が高い」としている。

 久部良フリシは、与那国島北西岸に位置しており、その中央に久部良バリと呼ばれる崖状の亀裂がある。指定面積は790万9979平方㍍。

 久部良バリは、全長約15㍍、幅員約3・5㍍、深さ約7㍍の亀裂で、人頭税の負担にあえいだ島の人々が妊婦を跳ばせて胎児とともに死に至らしめたという伝承があり、近世の与那国島の社会を考えるうえで深い意義を持つ。

 久部良フリシは、波の浸食により形成された砂岩の急な崖からなる独特な風致景観。

 久部良フリシ一帯は、旧暦4月にイネの害虫を駆除するため、虫の霊を海のかなたの理想郷、アンドゥヌチマに送るフームヌン(穂物忌み)の儀礼の場となっており、与那国島の精神文化を語るうえで重要とされている。

 八重山地区の国指定名勝は現在、「宮良殿内庭園」と「石垣氏庭園」、「川平湾および於茂登岳」の3件。

 

■優れた教育資源 崎原用能与那国町教育長

 景勝地としてだけでなく、島の成り立ちや文化を知るための優れた教育資源でもある。今後も町民の宝として、広く教育普及活動や観光資源として活用を図り、環境保全に努めたい。

 

■いつまでもきれいに 長濵利典久部良公民館長

 祭事が行われ、住民の憩いの場でもある。日本の名勝に指定されることで、今後も注目を集めそうだ。地域としてもいつまでもきれいに守っていきたい。

 

■あらためて学習 島仲信秀久部良中学校校長

 近くにありながら、生徒全員で足を運ぶ機会がなかった。いま一度、久部良バリや久部良フリシについて学習する必要性を感じている。

  • タグ: 与那国島
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