市消防団員不足
- 2013年11月02日
- 土曜リポート
魅力ある訓練で意識向上
石垣市消防団(新垣能一団長)の団員数が不足する一方、社会的な理解が得られず、職場や家族から反対され緊急出動ができない団員も多い。災害時に最も力を発揮する消防団活動の周知とPR不足で、団の活性化も停滞している。団員の一人、大底竜也さん(29)は「魅力ある訓練活動で消防団を知ってもらうのが大事」と消防団員の意識向上を促している。(砂川孫優記者)
■消防団の魅力回復
「自分が住んでいる地域を守りたいという気持ちで団員を続けている」と消防団に所属する意義を話す大底さん。
現在、市消防団(第1〜9分団)の団員数は82人。市の消防団の条例定数の100人に18人不足している。また、白保、宮良、磯辺には消防団がなく、島内東側の消防力の弱さが指摘されている。
なぜ団員の魅力を発信できないのか、大底さんは団員活動の周知不足と訓練の充実度が足りないと危機感を募らせている。「若い団員を入団させるには従来通りのやり方ではダメ。魅力ある訓練を多くの人に見てもらうことが入団への鍵になる」と話す。
■地域では
「災害時の初動や火災の初期消火に消防団は重要な存在だが、昔に比べて団員が少ない」と話すのは、白保公民館の米盛勝三館長。
災害時に市消防が駆けつけるまで消防団の活動が重要で、公民館が主体になり各地域に自主防災組織が誕生しているが、消防団は訓練を行っているのが強みだという。
米盛館長は「団員募集のPRが少なく、内部が見えないので公民館単位で説明会を開いてほしい」と要望する。
■新たな光に期待
10月24日、新垣団長に一報が届いた。同日付の本紙報道を見た5人の市民が消防団に入団を希望したという。
増員に期待する新垣団長は「非常にうれしいことで歓迎したい」と喜んだ。
消防団への社会的理解が低く、業務中に出動しづらいケースや、家族からの反対を受ける団員もいるが「消防団の意識が向上すれば社会の見る目も変わってくる」(大底さん)と期待する。
今後は各団員の得意とする分野を生かした特別な消防団をつくり、災害時に備えたいと話す。
「自分の地域は自分たちで守るという意識があればみんなも団員として活動できる」と呼びかけ、市民に理解を求めていくためこれからも団員を引っ張っていく存在を目指す。
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