八重山の体験型観光 受け入れ態勢の充実を
- 2013年10月12日
- 土曜リポート
白保地区で月桃の苗植えなどを体験した京都市の龍谷大学付属平安高校の生徒ら(資料写真)
南ぬ島石垣空港の開港後、八重山観光は好調を維持。7月までの入域観光客数が50万人を超え、過去最多の80万人を突破する勢いだ。その一方、観光関係者からは「いつまで、このにぎわいが続くか分からない」と、今後を不安視する声もある。好調な観光を維持するため、新しい観光スタイルとして民泊や農業・漁業体験、海洋生物勉強会などの体験型観光に関心が高まっている。(高良新輝記者)
八重山観光の魅力の一つが、南国特有の自然や人との触れ合い。エコツーリズムや田舎の生活を体験するプロジェクトが注目を集め、修学旅行や沖縄本島の離島体験交流促進事業などで八重山を訪れる子どもたちが増加している。
2011年に修学旅行生を対象に市が初めて実施した「農漁村生活体験」で93%の生徒が満足したという結果が得られた。農業を体験した県外の生徒は「今度は卒業旅行や家族で来てみたい」。民泊した沖縄本島の児童は「同じ沖縄でも違うところがあって楽しかった。もっといろんなところを見てみたい」と感想を話した。
民泊を受け入れた農家からも「生徒たちが泊まってくれるとにぎやかで楽しい」と好評だ。
「石垣島子育て道場(田舎体験)」と題し、地元民家での民泊や農業、漁業体験、カヤック、海洋生物の勉強会など多彩なプログラムを用意している石垣島沿岸レジャー安全協議会(成底正好会長)では今年、修学旅行など約10件。1000人以上の利用が予定されている。
その一方、石垣島や周辺離島での星空観察会、ナイトサファリ、サガリバナ観賞、アンパル散策など、自然を観光資源としたツアーも、各団体やホテルのオプションで実施され、広がりをみせる。
だが、利用の仕方や活用について共通認識がなく、観光資源の崩壊が懸念され、ルールづくりや情報交換など関係機関の連携が急務となっている。
石垣市観光交流協会の宮平康弘会長は「今の人気は30年間の積み重ね。このままあぐらをかいたままでは、ブームは一気に去ってしまう。官民ともに危機感を共有して取り組むことが大切」と強調する。
また、成底会長は「島の自然や文化、人などの資源を活用し、受け入れ態勢を充実させることが必要」と話している。
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