デイゴヒメコバチ、効果的な防除を
県は11日、石垣港ターミナルでデイゴヒメコバチ防除対策薬剤講習会を開いた。八重山農林水産整備課の小山絵里主任がヒメコバチの防除に向けた取り組みを紹介したほか、防除剤を取り扱う井筒屋化学産業㈱の阪井秋弘営業次長が防除剤として使用されているアトラック液剤の特長と樹幹注入の方法を説明した。
県は、ヒメコバチ防除の低コスト技術開発に向け、薬剤の効果の検証や天敵となる昆虫探索、薬剤の注入位置などに取り組んでいる。
防除に使用されている同液剤は、幹に直接薬剤を注入するタイプで、薬剤が樹木全体に広がることで葉を食害する害虫を駆除する仕組み。散布剤ではないため、飛散しないのが特長。
また、市の施設にある483本のデイゴを管理している「NPO花と緑の石垣島」の波平真育氏が毎月行っている調査を具体的に示したうえで、「(デイゴは)徐々に枯れて来ている。どの木を守るのか選別し、守るべきものを重点的にやった方がいいのではないか」と提言した。
竹富島のデイゴヒメコバチ防除で実績のある「竹富島のデイゴを救おう実行委員会」の亀井保信氏は、これまでの経過や効率的な注入位置や注入薬剤本数を減らした場合などの検証結果を示し、「竹富島は実験台になっている。デイゴに対する愛情が大切だ」と話した。
同センターが2008年と10年に行った発生状況調査によると、デイゴヒメコバチは夏場の8月ごろから増え始め、寒くなる11月ごろまでが発生のピークとなっている。
参加者はこの後、浜崎緑地公園に移動。公園内にあるデイゴに薬剤を注入した。
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