「早く安心安全な海を」 尖閣国有化から1年
石垣市の行政区となっている尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島の3島は11日、国有化されてから1年を迎える。尖閣諸島周辺の領海、領空は中国の船や飛行機に脅かされる事態が激増、国家間の緊張が常態化している。10日も午後3時現在、8隻が領海内で航行しているのが確認された。地元漁業関係者からは「早く安心安全な海にしてもらいたい」と沈静化を望む声が上がる。
国有化後、日本政府が中国をけん制するため台湾と締結した日台漁業取り決めは、地元の頭越しに交渉が進められた。漁業関係者は猛反発、「地元には何のメリットもない。台湾だけが漁夫の利を得た」と憤る。
第11管区海上保安本部によると、国有化以降の中国公船の領海侵入は9日午前8時現在で延べ208隻、接続水域内への侵入は延べ1043隻と、常に居座っている状態だ。海保は全国から巡視船を集め、24時間体制で警戒に当たる。
一方、領空は、昨年12月に中国国家海洋局のプロペラ機が中国機として初めて侵犯。航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)も昨年4—9月の69回から、国有化後の同10月—今年3月は237回と3倍以上に増えている。
中山義隆市長は10日、「国には毅然(きぜん)とした対応で領土、領海を守ってもらいたい。また、中国との話し合いで、領土問題は存在しないという日本の立場を伝えてもらいたい。中国だけでなく国際社会にも訴えてもらいたい」と話した。
市が2012年6月4日、尖閣諸島寄付金の口座を開設して以降、10日現在で434件788万1055円が集まった。市は尖閣諸島寄付金基金条例で調査保全・活用、水産基盤整備の調査などに充てるとしているが、まだ使用されていない。
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