「井戸を憩いの場に」 候補地に6カ所
石垣市内に残る井戸を災害時の水利用を兼ねた観光スポットや憩いの場として再生させる「まちなか親水広場整備事業」で、石垣市は2日までに整備対象の候補地を6カ所選定した。水質検査を実施して問題がなければ、手押しポンプを設置するなど水に親しめる広場を確保する。市によると、水利用や観光利用の面から井戸に価値を見いだし、再生させる取り組みは県内でも初めてという。
市は7月30日から8月16日まで整備を望む井戸を公募したところ、8件の申し込みがあった。これに市が推薦する4件を合わせた12件を▽憩いの場所に適しているか▽災害時に水の利用が可能か▽地権者の同意を含めて復旧が可能かーの観点から6件(公募4、市推薦2)に絞り込んだ。
6カ所の井戸のうち、登野城のアコーバルカーは登野城村のウキマシィヤー(請桝屋、上地家)の犬が掘り当てたとも言われ、インヌカーとも呼ばれる。当初は自然のわき水を利用する降り井戸だったという。アコーバルは地名。
新川の4号線南の小道にあるカジィヤヌカーは、近くにあった鍛冶屋が錬鉄の用水として使用していたことからその名がついた。なたつ橋西方のナータジィカーは、新川の大工家の祖先が住民のために掘削した経緯があり、頌徳碑が建立されている。
アコーバルカーを管理する上地和浩さん(54)=登野城670=は、電気ポンプでくみ上げた井戸水を現在も生活用水として使っている。「いつでも誰でも水が使えるようになればうれしい。昔の井戸のように、井戸のそばにアダンなどを植えて、木陰で休憩ができるとなおいい」と話した。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。