荒天で出漁できず
- 2013年09月02日
- 社会・経済
波照間便も欠航
八重山地方は、台風15号の通過後も強風や波浪など荒れた天気が続いており、漁業や海上交通の一部に影響が出ている。八重山漁協は8月29日からセリが行えず、波照間航路は同月28日から欠航が続いている。与那国島北方にある熱帯低気圧は1日、東北東にゆっくり進み、台風に発達する見込みとなっていることから、影響が長引く恐れがある。
台風15号は28日から29日にかけて接近して遠ざかったが、その後も熱帯低気圧の影響で強風や波浪の注意報が出続けている。石垣島地方気象台は「波がすぐに落ち着くことはなく、あと2、3日ぐらい続くのではないか」との見方を示しており、海上はしけの状態が数日間続く見通しだ。
八重山漁協のセリ市場は8月29日以降、31日の定休をはさんで4日連続でセリにかける鮮魚の水揚げがなかった。市場販売課の友利邦明係長は「今後も熱帯低気圧が心配」と表情を曇らせた。
各漁港にはロープで固定されたままの漁船が目立つ。マグロはえ縄漁船の乗組員は「1週間くらいは出漁していない」と嘆息し、一本釣り漁業者の一人は「一本釣りは、お盆が明けてから2日間しか出漁していないのではないか。最近は(八重山の)すぐ近くで熱帯低気圧や台風が発生するので、予想がしにくく出漁するのが怖い」と話した。
セリ市場の仲買人は「きょうは出漁できると聞いていたが、熱帯低気圧が発生したと聞いてがっかり。鮮魚が全くなく、スーパーにも納品できない。早く天気が回復してほしい」と望んだ。
一方、海上交通は、石垣島と波照間島を結ぶ航路で旅客船が8月28日から全便欠航の状態。貨客船が運航しているため生活物資には影響がないようだが、観光客らが足止めされるなど、人の移動に支障をきたしている。旅客船の欠航を受け、安栄観光は2日、臨時のフェリーを運航して対応する。住民からは「飛行機もあれば助かるのだが」と航空路の復活を望む声が挙がっている。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。