今月は「環境月間」
- 2013年06月15日
- 社説
■県内各地区で取り組み 6月は環境月間である。国連は1972年6月5日にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、その日を「世界環境デー」と定め、世界各国で環境保全のためさまざまなイベント等を開催している。 わが国でも93(平成5)年に環境保全について国、地方自治体、事業者および国民に責務を明らかにするために制定された「環境基本法」で6月5日を「環境の日」として制定し、環境保全のためのさまざまな取り組みを行ってきている。 環境月間において、環境省は、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現のため一人ひとりが自らの生活や行動を見直していくことを提唱し、不法投棄撲滅キャンペーンやエコライフ・フェアの開催等多彩な取り組みを実施している。 また、海上保安庁は6月を「海洋環境保全推進月間」と定め、「未来に残そう青い海」をスローガンに環境保全思想の普及啓発に取り組んでおり、去る10日には、豊見城市の瀬長島海岸のクリーンアップ作戦を実施している。 県は「さぁ はじめよう!エコ活~いつやるの?今でしょう!~」を重点テーマとして、講演会、県民ホールでの環境パネル展、不法投棄パトロール、赤土等監視パトロールなど環境保全活動に関する各種の事業を推進している。 県内の各地域においても、環境月間にちなんだ取り組みを行っている。例えば、読谷村では、地元企業、学校関係者、村職員らおよそ900人が「ちゅら浜クリーンアップ作戦」を実施し、「沖縄クリーンコーストネットワーク」は、豊見城市の豊崎美らSUNビーチで「まるごと沖縄クリーンビーチ」を主唱して海浜の清掃活動等を行っている。 また、インド原産のイネ科多年生草本である「ベチバー」をグリーンベルトとして植栽し、赤土流出防止に役立てようとNPO法人「おきなわグリーンネットワーク」が活動を始動させている。 ■八重山での取り組み 八重山でも行政機関を中心にさまざまな取り組みを行っている。石垣市「第4次総合計画」の前期基本計画において、石垣市を「太陽と海の楽園であり、社会資本の整備はおおむね達成されてきているが、大量生産、大量消費、大量廃棄を背景としたさまざまな環境の負荷も生じさせてきた」と分析し、将来を見据えた循環型社会の構築に努め、市民、事業者、行政がそれぞれの役割を認識しつつ、それぞれの役割を果たす必要性を説いている。 私たちの周囲で日常的に起きている環境汚染の問題は深刻だ。降雨のたびに農耕地等から大量に流失して海浜を汚す赤土、美しい海岸線を汚染しているペットボトル、発泡スチロール、プラスチック、流木などの漂着ごみも環境にきわめて大きな負荷をかけている実態がある。 以前から、赤土流出を防ぐためにオウギバショウ(旅人木)やゲットウ(サミン・サンニン)などをグリーンベルトとして植え付け、一定の効果を挙げてきており、加えてベチバーなどの植栽によって川や海浜の環境を守る地道な活動も実施されてきている。 ■観光客に美しい自然景観 南国の輝く太陽が育んできた美しい八重山の大自然を背景に、私たちの先達は音楽、舞踊をはじめ焼き物、織物など高雅な文化を産み育て伝えてきた。清澄な美意識を育んだ八重山の海や山や空が汚されるのを手をこまねいて見ていてよいのだろうか。 新石垣空港の開港によって、観光客等地域外から訪れる人々も大幅に増えている。地域の外から訪問して来る人々が、眉をひそめる自然景観にならないよう、行政を中心に、事業所、学校、地域住民が環境保全のために一体となって取り組む事が重要である。環境月間を一つの契機として、改めて息の長い環境保全活動への第一歩を踏み出そう。
関連するニュース
- 県環境保全功労 登野城教諭を表彰 2020/11/21
- 米原海岸利用ルール始動 魚類捕獲禁止など16項目 2019/07/16
- 世界自然遺産 推進共同企業体が発足 2019/05/22
- 小浜の海人「魅力伝えたい」 2015/06/07
- 環境教育で成果発表 2015/02/22
- 自然環境保全 基本方針を策定へ 2013/10/13
- 今年も捕獲大作戦 外来生物オオヒキガエル 2013/08/02
- 尖閣、海洋保護区設定目指す 海洋基本計画案 2013/03/23
- 名蔵アンパル園地整備で提案 自然・環境教育の拠点に 2012/11/13
- 大量発生メカを解明へ 県がオニヒトデ駆除対策で 2012/02/14