イリオモテヤマネコ3例目の野生復帰 船浮地区で放獣
- 2013年05月18日
- 自然・科学
発信器で行動を追跡
【船浮】環境省西表自然保護官事務所(福田真自然保護官)は17日午後、西表島船浮集落で保護したイリオモテヤマネコ1頭を保護現場付近の林野に放獣した。ヤマネコの保護は過去10年間で5例あるが、野生復帰できたのは5年ぶり今回で3例目。放獣したヤマネコにはモニタリング用の電波発信機を装着させており、福田自然保護官は「船浮地区でヤマネコの行動パターンを計測できる機会がなかったため、今回の放獣をきっかけに調査できる」と期待する。
このヤマネコは4月に同集落内の公園で衰弱しているところを保護した若い成獣のオスで感染症による重度の皮膚疾患にかかっていた。西表野生生物保護センターで栄養補給と皮膚疾患の治療を続け、獣医師や専門家が順調に回復したことを確認し、保護から37日後に野生復帰させた。
保護当時は体重2.6キロだったが放獣時には3.6キロに回復。感染症の治療も終えており、同センター職員がヤマネコを入れたケージを放獣地点に置き、準備をしている間にゲージを壊して林の中に姿を消したという。
放獣を終えて福田自然保護官は「ゲージを壊すほど回復し、元気に野生復帰したことを喜んでいる。これからも力強く野生の中で生きていってほしい」と話し、オレンジ色の首輪に設置した電波発信機で追跡調査を実施。
数日間は同センター職員が船浮地区に泊まり込んで調査したあと、約1カ月かけてこのヤマネコの行動圏を把握し、船浮地区周辺でイリオモテヤマネコがどのように生息しているのか調べていくという。
なお、放獣したヤマネコはオレンジ色の首輪を装着しており、同センターでは目撃情報などの提供を呼びかけている。(84-7130)
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