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許すな96条改正

加速する改憲の動きに歯止めを
■参院選の争点に  ゴールデンウイークが始まり、各行楽地は子どもたちの歓声でにぎわっている。後半スタートの3日は66回目の憲法記念日だ。その今年の憲法記念日は、例年以上に護憲派が危機感を募らせている。それは改憲派の安倍晋三首相の再登場で憲法改正の動きが加速しているからだ。  先日の参院予算委員会で安倍首相は以前から主張している憲法改正の発議要件を緩和する96条改正を、7月の参院選で自民党の政権公約に掲げて堂々と戦う姿勢を改めて表明した。   96条は「憲法を改正するには衆参でそれぞれ3分の2以上の議員の賛成が必要」とうたっており、安倍自民党政権はこれを過半数の2分の1に改め、武力放棄の9条など改憲のハードルを大きく下げようとするものだ。  これには維新の会、みんなの党も同調しており、衆院では昨年12月の総選挙の結果、既にこの3党で発議要件を満たす3分の2以上の360議席余を確保、自民単独でも約6割の294議席を確保している。  連立与党の公明は「参院選の争点になるほど論議は熟していない」と96条改正に慎重姿勢だが、参院選の結果によっては制定後初めて改憲が具体的な日程に上る可能性は高い。 ■安易な緩和で暴走  しかも戦争を知らない政治家が大多数を占め、右傾化が加速する中で改憲の可能性は決して低くない。危機感を感じずにいられない。  しかしなぜこうも改憲に突っ走るのか、非常に違和感を覚える。それは東日本大震災や福島第一原発事故からの復旧・復興をはじめ尖閣や竹島の領土問題や靖国参拝などをめぐって悪化する日中・日韓関係の改善、景気回復などその以前に政治が力を入れるべき課題が山積しているからだ。  安倍政権としては、今が民主の一部を加え改憲勢力結集のチャンスととらえているのだろう。しかも民主政権の反動で高支持率を維持、勢いづいている。逆に言えばそれだけ暴走が怖い。  96条改正に対しては日弁連も反対の意見書を提出した。それは憲法が国家権力の乱用や暴走を制御する国の基本法であり、だからこそ改正には96条で3分の2以上賛成の厳しい縛りをかけている。それが安易に緩和され、時の権力によって簡単に次々と憲法改正となれば国家は戦争へと暴走し、気づいた時には国民がひどい目に遭っていたということになりかねないからだ。 ■怒りに包まれた4・28  ゴールデンウイークの4月28日、沖縄は激しい怒りに包まれた。それは沖縄が「屈辱の日」とするサンフランシスコ講和条約発行のこの日、政府主催の「主権回復式典」が沖縄の強い反対を無視して強行されたからだ。  沖縄は日本で唯一、凄惨(せいさん)な地上戦の戦場となり、戦後は米軍の施政権下で苦しみ、72年に日本国憲法のもとに復帰したものの、戦後70年近くも一貫して広大な米軍基地を押し付けられるなど差別的な扱いを受け、憲法の恩恵を十分に享受していない。それだけに平和や憲法への思いはなおさら強い。  それが普天間の県外移設、オスプレイ配備反対の県民の声を全く無視したまま突然、主権回復式典を強行したのだから怒りは当然だろう。  しかも同式典は憲法改正への地ならしが狙いとされ、安倍政権は北朝鮮や中国脅威論を大義名分に着々布石を打っている。ゴールデンウイークも平和あってこそだ。憲法記念日を前に96条の持つ意味と改正の脅威を考えたい。

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