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地元漁民を不利にするな

尖閣周辺の漁業権で日台予備交渉がスタート
■尖閣の「対日共闘」けん制  尖閣諸島周辺海域での漁業権をめぐる日本と台湾の予備協議が11月30日都内で開かれ、2009年2月以降中断していた漁業協議が3年9カ月ぶりに本格的に動きだした。日・台は今後数回の予備協議を経て年明けに正式協議を開き、漁業協定の調印にこぎつけたい考え。  尖閣をめぐっては、石原慎太郎前東京都知事の尖閣購入表明に端を発した日本政府の国有化に、中国同様領有権を主張する台湾側が強く反発。周辺海域で操業する台湾漁民が今年9月、漁船団を組織して国有化に抗議、領海を侵犯するなど良好な日台関係にきしみが出る事態となった。  一方でこうした反発を受けて中国が台湾に尖閣問題で対日共闘を呼び掛けたことから、中台連携を警戒した日本側が、漁業権の解決で中国をけん制し台湾を取り込むことを狙いに、台湾側の求めに応じて協議を再開した。  予備会合で台湾側は、2000年6月発効の「日中漁業協定」で定めた「暫定措置水域」をモデルに、日台双方の漁船が操業できる「共同水域」の設定を提案したようだ。  したがって今後の協議は、共同水域の範囲が焦点となるが、その際、国は八重山漁協など地元漁民に悪影響が出ないよう、沖縄の漁業権益を損ねないよう交渉を進めてもらいたい。 ■台湾漁船とトラブル  それというのも日本側が、尖閣問題と引き換えに大幅譲歩の可能性も取りざたされているからだ。尖閣を守るために、沖縄の漁民が基地問題と同様にまたも犠牲になるということはあってはならないことだ。  八重山漁協の上原亀一組合長によると、尖閣周辺の漁場をめぐっては、日中漁業協定で、中国漁船は北緯27度線南の排他的経済水域(EEZ)でも操業が認められている。同海域に中国漁船が進出すると沖縄の漁業者は死活問題となるが、幸い中国漁船の操業海域は以北に留まっているため、これまで県内漁民とのトラブルはない。  むしろ漁業協定がなく、同水域操業が認められていない台湾漁船とマグロはえ縄漁をめぐってトラブルが多いという。また同水域で操業すると取り締まりの対象になるため、台湾漁民から不満が強まり、そのため1996年8月から協定に向けて16回の協議を開いた。しかし05年の協議で台湾側が「日中協定」と類似の共同水域を提案、日本も理解を示したものの、水域の範囲をめぐって合意に至らず、09年2月以降協議が中断してきたという。  日中の漁業協定は、両国の排他的経済水域が重なることに加えて尖閣の領土問題もあって、結局EEZを画定しないままに尖閣を含む北緯27度線以南も「暫定措置水域」に設定。そこは領海内を除き、自由に操業ができるようになっているという。 ■地元の漁業権益守れ  同協定は尖閣周辺を漁場とするマグロ漁船など沖縄の漁民にとって、見直しを求めるべき死活問題の脅威。しかし同協定は地元の声を聴かないままに締結されたため、その二の舞いにならないよう今回の協議に当たっては国に地元の意見は提出してあるという。  上原組合長によると台湾との友好関係もあるため、ある程度譲歩する案も提示してあるが、焦点の水域の範囲が今後の協議でどうなるか国の対応を見守るというのが現状だ。尖閣問題を有利にするため、大幅譲歩の可能性も指摘されるが、国には地元の漁民が不利にならないようしっかり地元の漁業権益を守ってもらいたい。

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