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世界40カ国の昆虫を展示 世界の昆虫館

クワガタや「虫キング」もいるぞ
 バンナ公園北口に昨年4月22日、「世界の昆虫館」がオープンした。館内に入ると、色鮮やかなチョウが目に飛び込んでくる。子どもたちに人気のクワガタ、カブトムシの標本がずらり。生きたヘラクレスオオカブトもいる。昆虫館には世界40カ国、350~400種の昆虫1000匹が展示されている。  館長をしているのは山田守さん(66)。小学校2年のチョウの収集を始めたというから、かれこれ60年近くも昆虫とつきあっている。山田さんは奈良の生まれだが、父親の転勤や自分の転勤で国内各地で収集してきた。ドイツ型標本箱という収納ケース(41.5センチ×50.5センチ)300個分。山田さんは2001年7月、家族とともに石垣島に引っ越してきたが、「自分一人で標本を抱えるものではない。島の人たちが見る機会をつくりたい」と思い続けてきた。  そんな折、バンナ公園を管理する県の人に、標本を展示する場所がないか相談してみた。山田さんは5年前からバンナ公園内の「蝶園」をボランティアで世話しており、県の担当者も提案を受け入れてくれた。  管理施設だったところを改修してつくられた昆虫館は、24時間空調で温度と湿度が一定。日光を遮断するため窓は一つもない。照明は人がいないときは自動的に消える仕組みになっている。山田さんは「本格的な標本の博物館」と県に感謝している。運営はもちろんボランティア。山田さんのほかに2人のスタッフがいる。みんな昆虫に詳しいから何でも聞いてみるといい。  山田さんの願いは、多くの子どもたちに昆虫館を訪れてもらうこと。小さな生き物に関心をもてば、小さな生き物も住む自然環境を大切にする心が育ってくるはずだと信じているからだ。昆虫館では標本づくりも指導しているが、それはむやみやたらに昆虫を奪うものではなく、逆に命の大切さについて考える機会にもなると考えている。  「虫を手にすることで自然に興味をもつとっかかりになる。標本づくりは命の重さを考えるようになり、生き物を大事にする情操教育にもなるのではないか。一時期、生き物に熱中することは大切。理科系のノーベル賞受賞者には昆虫を採集していた人が多い」と山田さんは言う。  山田さんによると、昆虫館があるバンナ公園は、有名な採集地。ここで発見されたチョウやガは多い。与那国島で初めて発見されたヨナグニサンもいたんだ。1973年8月26日に日本鱗翅学会会長の岸田康則氏が採集したもので、寄贈標本には「当時は珍しくなかったようですが、今では全く見られなくなってしまいました」とのコメントがある。  山田さんは「今のバンナ公園はどうなっているか。徹底的に調べたい」と話し、昆虫館を拠点に学術的な研究にも着手したいと考えている。今年は「友の会」(仮称)を立ち上げを予定するなど新しい取り組みも始めるつもりだ。  島外にいる友だちや仲間から標本も寄せられており、山田さんは「世界の昆虫館にふさわしい内容になりつつある」と胸を張る。収納庫には展示数の倍の標本が保管されており、今か今かと出番を待っている。  昆虫館は1月1、2日を除いて年中無休。午前10時から午後5時まで空いている。大人200円、小中校生100円(未就学児は無料)。

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