「文化財を火災から守れ」 文化財防火デー
県指定の美崎御嶽で本番さながら訓練
「文化財防火デー」(文化庁、消防庁主唱)の26日午前、石垣市登野城にある県指定文化財の美崎御嶽で文化財防火訓練が行われた。訓練は文化財の防火体制の強化や火災に対する備えを再確認し、文化財愛護思想の高揚を図るのが目的で、市教育委員会が市消防本部の協力を得て毎年、実施している。
防火訓練は、境内に捨てられたたばこが枯れ葉に燃え移り、拝殿に延焼したという想定で行われ、境内を清掃している火災の第一発見者の男性が消火器を使って初期消火後、市消防本部に通報。小型消防車が現場に急行し、隊員が放水するなど、本番さながらに訓練が展開された。
訓練終了後、市消防本部の前木秀靖消防長は「通常は火災発生から5、6分が消火の限度。1秒でも早い初期消火が大事。今回は初期消火から通報、消防車による消火までの作業がスムーズに行われて良かった」と講評した。また、石垣市文化財審議会の前津栄信会長が「文化財はみんなの宝。消防だけに任せるのではなく、みんなで目配りして守る必要がある」とあいさつした。玉津博克教育長も「文化財を後世まで守るためには消防と市民の協力が必要」と話した。
この後、消火器を使った消火訓練も行われた。
美崎御嶽は1500年のオヤケアカハチの乱を鎮圧した兵船や無事帰還を神女真乙姥が祈願した場所といわれ、1956年2月に県指定文化財(建造物・史跡)に指定されている。
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