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効果上げる補聴相談会

高齢難聴者の“救世主”に
デジタルへの対応も課題
 高齢化で日常生活での会話やテレビの音声が聞きづらいといった悩みを持つ人々が増えている。こういう難聴問題を解消するのに補聴器があるが、うまく適合しないため、補聴器をしまい込んだままの人も多い。この補聴器装着に効果を上げているのが石垣市社会福祉協議会が月1回開催している補聴相談会だ。専門医が来島、難聴高齢者の個々人に、耳に合った補聴器を使うための助言・指導を行っている。(南風原英和記者)  補聴相談会は市社協と石垣市難聴福祉を考える会の共催で、2000年度から月1回、健康福祉センターで開かれている。  相談に応じるのは、浦添市にある特定非営利活動(NPO)法人「補聴相談のひろば」の野田寛医師(琉大名誉教授)と検査員を務める地元ボランティアの2人。相談は事前に4~5人受け付け、無料で行っている。  市社協のまとめでは、補聴相談会を開始した2000年度から今年1月までに相談に訪れた人は584人に上り、来所者は増える傾向にある。  野田医師によると、難聴高齢者は70歳以上で約半数が必要となり、その数は県内で約10万人、全国で約1000万人に上る。また、早い遅いの個人差はあるが、誰でも高齢難聴になるという。  補聴器が必要にもかかわらず、不評のため、ほとんど使われていないというケースも。県内では、必要な人の10~20人に1人が補聴器をほとんど使っていないという。  野田医師はまた、難聴のままでいると、コミュニケーション障害で家庭内孤立や生きがいを喪失し、閉じこもりや認知症、寝たきりになりやすいと指摘する。  相談会では、こうした問題に対処しようと聴力検査のあと、補聴器を無料で貸し出し、相談者が自らに合った補聴器が分かるまで相談とアドバイスを続けている。  相談会に訪れ、現在補聴器を使っている大盛哲雄さん(81)=竹富町小浜=は「テレビの音声が聞きづらいので、音を大きくすると家族からうるさがられる。補聴器を使ったら、とても聞きやすくなった」と話す。土居正俊さん(89)=石垣市宮良=もその一人。「いつも持ち歩いて、会合があるときに使用している。これを使わない前は人の話が聞きづらかった」という。  一方、補聴器にもデジタルの波が押し寄せ、将来のデジタル化に向けた対応も相談会の課題となっている。市社協の上地武事務局次長兼専門員は「デジタル化に備え、検査器材やスタッフの研修などの予算確保をしなければならない」と話す。  年を取れば、避けて通れないと言われる高齢難聴。野田医師は「日本の社会を難聴者を排除しない社会にする必要がある」とし、聴力検査やフォローシステムの確立などを市町村が住民検診で行うなど、高齢難聴者へのバリアフリーの実現を呼びかけている。

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