最低制限価格引き上げ要望も 石垣市発注工事
- 2009年10月18日
- 社会・経済
落札率、89.3%までダウン
入札制度見通しで逆に落ち込み過ぎ?
公共工事の予定価格に対し指名業者が落札した額の割合を占める石垣市発注工事の落札率は、2008年度に89.3%まで落ち込んだことが契約管財課の資料で分かった。前年度の95.3%から6ポイント減の大幅な低下。指名業者名の事後公表、現場説明会の廃止など入札制度見直しの効果とみられるが、工事の質の低下を招く低入札価格競争も散見された。このため市は、落札価格の下限を定める最低制限価格を設定するなどして対処している。
市発注の公共工事は、07年度まで95%以上の高落札が続いていた。05年6月に発覚した県発注工事の談合問題を受け、市議からは「適正な競争原理が働いているのか」として改革を求める声が挙がっていた。
こうした指摘を受け、08年5月に現場説明会などを廃止、同年7月までの平均落札率は82.5%にまで低下した。しかし、低入札価格競争は工事の品質低下、下請け業者へのしわ寄せ、労働条件の悪化、安全対策の不徹底などの悪影響を及ぼすおそれがあることから、同年7月に最低制限価格(上限85%)を設定し、落札率は91.6%にまで回復した。
さらに、中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルの基準が改正されたのを受け、市は今年5月に上限を90%に引き上げた。県は4月に続いて6月から、地域経済の緊急避難的措置として当分の間、モデルより高い水準に引き上げている。市は上限引き上げについて県の動向をみて判断する方針だ。
県建設業協会八重山支部の当山喜一郎支部長は「最低制限価格を引き上げることで、より適正な価格(予定価格)に近づくことになる」と引き上げを要望、議会からも「95%まで引き上げられないか」(伊良皆高信氏)との声が出ている。
入札制度見通しで逆に落ち込み過ぎ?
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