西表島の漂着ごみ調査へ マングローブ中心に全島で
マップも作成、来年2月までに報告書
竹富町自然環境課(白保隆男課長)は本年度、西表島のマングローブを中心とした同島全域の漂着ごみの状況を調査する。調査では漂着ごみの種類や量に加え、清掃活動などの現状を把握。さらに、マングローブ林河口へのネット設置による漂着ごみの減量、到着地点の変更などの実験を行い、今後の漂着ごみ対策検討の基礎資料とする方針。
豊かな自然が残り多種多様な動植物が生息する西表島では、外国を中心とする島外からの大量に流れ着くごみ(漂着ごみ)が問題化している。しかし、その撤去の大半が住民ボランティアの活動に依存。処理費用の捻出(ねんしゅつ)も課題となっている。
特に、マングローブ林のなかは、1度漂着ごみが接岸すると回収が困難な上に、漂着ごみがマングローブ域の生態系に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
同課が本年度実施する同島の漂着ごみ調査では、マングローブを中心とした島の外周を対象に、船舶からの目視で漂着しているごみの種類や量など、接岸状況を把握。さらに、漂着ごみの接岸状況を地図上に示し「漂着ごみマップ」を作成するほか、接岸が多い地域で、地形や潮流、植生など、その要因を分析し、把握することにしている。
さらに、自然環境への影響や観光面の価値などの視点から接岸対策重点地域を選定。試験的に河口にネットを設置することで、漂着ごみのマングローブ内への流入阻止や河口周辺海岸への接岸地点の変更で回収を容易にするなど、漂着ごみ量の軽減策や効率的な回収・リサイクル案を検討することにしている。
また、越境ごみが占める漂着ごみ問題を町全体の問題としてとらえ、漂着ごみ量の軽減、対策を推進するための地域指定やルール作りの基本方針を検討し、国に提言することにしている。
計画では、来年2月までに調査結果を報告書にまとめることにしている。
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