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62回目の敗戦記念日に思う

憲法のこと、沖縄戦、安倍政権のことども
 6月23日の沖縄戦終結の慰霊の日、8月6日の広島、同じく9日の長崎の原爆の日と続いた戦没者・被爆者に対する62回目の鎮魂のセレモニーは、きょう15日の敗戦記念日で今年もひとまず幕を閉じる。日本で唯一の地上戦や人類史上初の原爆投下で多くの犠牲者を出して終結したこの戦争の一連の儀式の中で人々は何をどう思ったか。きょうの戦没者追悼・平和祈念式典は、62年という長い歳月から風化がいわれる中でさらに新たな不戦への戦いの始まりでもある。 ■安倍政権惨敗が示すもの  去る7月の参院選は自民・公明の与党が与野党逆転の大敗を喫し、自民党にとっては歴史的惨敗となった。  敗因は年金の記録漏れに対する不信や閣僚の失言、自殺者まで出した閣僚の政治と金、さらに格差に対する地方の予想以上の反発が大きかったが、一方で憲法改正で戦後レジーム(体制)からの脱却を掲げ、憲法改正の手続法である国民投票法案や教育基本法をはじめとする教育三法、防衛庁の省昇格など重要法案を与党の圧倒的な数の力で次々強行採決。  さらには憲法で禁じられる米国などの同盟国を武力支援できるよう集団的自衛権の見直しにも着手するなど、発足10カ月ながら強権的、超タカ派的に政治を進める「安倍政治」に不安を持った国民が「ノー」を突きつけた結果でもある。  沖縄でも野党候補が圧勝したが、これも教科書検定から、沖縄戦の集団自決の「軍関与」を強引に削除・修正したことへの県民の反発が大きかったことも大きく原因している。 ■国に沖縄の怒りを  しかも同問題では県議会をはじめ市町村議会など県内全議会が決議し、県を含む市町村長など6団体代表が要請に出向いたのに、政府は文科大臣でなく審議官が対応したことにも、これが安倍政治であり、沖縄軽視の現われと県民は激しい憤りで超党派による県民大会準備を進めており、大会で沖縄の怒りを国に示し、「軍関与」を認めさせるべきだ。  参院選惨敗後の広島、長崎の両原爆死没者慰霊式・平和記念式に安倍首相も参列していたが、テレビに映し出されたその顔はこれまでと違って、目を閉じ「平和宣言」にじっくりと耳を傾けるなど神妙な面持ち。さらに各閣僚も今年は終戦記念日の靖国参拝を自粛するなど、安倍政治が掲げた戦後レジームからの脱却や憲法改正も大きくトーンダウンしているが、これがもし選挙に勝っていたら、恐らく憲法改正、戦争をする国へさらに加速度を上げていただろう。  確かに今回は安倍政治の性急で強引な手法に国民はブレーキをかけたが、しかし今後の先行きはまだまだ不透明だ。 ■9条は人類の到達目標  同じ被爆地の長崎から選出され、非核にはどこの人よりも敏感なはずが、それを原爆投下も「しょうがない」とした久間防衛相発言が、長い歳月の流れからきたとするなら、そこがもっとも怖いところだ。沖縄も集団自決の問題などで自衛隊アレルギーが人一倍強かったが、戦争を知らない世代が増え、今回の参院選では自衛隊出身の候補が、八重山でも131票を得票するなど、長い歳月は沖縄の人でさえ年々大きく変えている。  こうした風化が進む中で長崎では、被爆地長崎の声を国連に届けようと「高校生平和大使」の活動が10周年を迎え、確実に活動の輪を広げているという。石垣市も長崎に中高校生の平和大使を毎年2人派遣しているが、これらの中高校生が長崎同様中心になって活動すれば八重山も護憲や反戦の大きな力になるだろう。  改憲派は、憲法で他国の侵略から日本は守れないという。しかし一方で国連の多国籍軍や米英の巨大な軍事力をしても平和を守れないのはむしろ泥沼に落ち込むイラクやアフガンが示し、そのため米国が悪の枢軸のイランに急接近しているのは何を意味しているだろうか。  今年5月日本ペンクラブ会長に就任した作家の阿刀田高さんは「(憲法の)前文の格調の高さと9条の精神は、人類が到達しなければならないもの。まず憲法の英知を訴えていきたい」と抱負を語っていたが、きょうの敗戦・終戦記念日に当たって、みんなもその認識をぜひ新たにしてほしいと思う。

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