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島の自然を後世に残そう

西表石垣国立公園指定に思う
 「西表国立公園」が、1日から「西表石垣国立公園」に変わった。石垣島の面積の約31%にあたる7022ヘクタール、それに海域約1万4500ヘクタールを編入拡大、豊かな自然環境を保全するのが目的だ。拡張面積は昭和62年の釧路湿原国立公園指定以来、最大規模になる。  編入変更のポイントは、陸域で平久保半島から野底岳、於茂登岳、川平湾、屋良部半島にいたる一帯と、ラムサール登録湿地の名蔵アンパルを指定、また石垣島周辺のサンゴ礁海域の大部分を国立公園に編入し、そのうち「平久保」「川平石崎」「米原」「白保」の4海域を海中公園地域にしたことだ。悪化の一途にあるカンムリワシやセマルハコガメなど希少な動植物の生息環境、サンゴ礁保護に具体的な対策が講じられることになる。  国立公園の区域編入に伴い、環境省は西表石垣国立公園の管理計画づくりに入っており、08年度中に策定する予定という。これにより許認可の詳しい基準、公園利用施設の整備計画が定まる。 ■サンゴ礁にやっと保全策  石垣島の国立公園編入のメリットは動植物の保全、乱開発防止、知名度・環境保全意識の向上が挙げられるだろう。  新空港問題がきっかけで白保のサンゴ礁は北半球最大のアオサンゴ群落と認知され、同時に周辺さんご礁調査で今回海中公園地域に指定された米原、平久保、川平石崎海域もサンゴの多様性が高く評価されている。  しかし優れた海域と言われながらも、保全策はなく、WWFジャパンが「しらほ村」を設置、海域のモニタリング調査や住民の意識啓発活動を進めているだけだ。それが海中公園区域に編入されたことで、国が具体的な保全計画を立てることになる。  本土復帰と同時に国立公園に指定された西表国立公園では、海中公園として石西礁湖がある。竹富町はサンゴ礁を保護しつつも、島々を結ぶ定期船の安全航路を確保しなければならないという相反した課題を抱えているが、石垣島の4海中公園区域に航路の問題はない。 ■乱開発防止への期待  同時に、乱開発防止は石垣市が直面する緊急課題で、国立公園指定による市の期待は大きい。  市では本土復帰前後とバブル経済最盛期に、広大な土地が売買された経緯がある。復帰混乱時の農地買い占めでは、農振の網をかぶせ、市農業委員会が農地を取得した投資家や企業から土地を買い戻した。だがバブル時に売買された土地はいったん遊休化したものの、新空港建設で再び流動化の動きにある。  この数年の移住ブームで島の風光明美な地区は次々と建物が建ち、乱開発に危機感を募らせた市が風景条例を制定したのは周知の通りだ。  しかし国立公園の編入に関して、陸域で最も規制の強い特別地区は於茂登岳一帯、また1種から3種はほとんど山林となっており、山岳部を除けば大部分は無指定である。このため、農振法のような絶対的な抑止力は期待できない。  ただ、伊原間〜平野間の東海岸、吉原〜米原、屋良部半島、名蔵湾の一部などの海岸線を第2種特別地区とし、名蔵アンパルや川平小島などを第1種特別地区に指定しており、一定の効果は生じるだろう。 ■環境意識の高まりに期待  乱開発防止は基本的に市が解決しなければならない事項である。先に市は風景条例、風景計画を策定し施行した。ただこれは法的拘束力を持たない条例にすぎない。  乱開発の波を止めるには、風景計画を法的に効力を生じる地区指定にまで導くことだ。保全地域を明確にし、市独自のルールを適用させなければならない。  そして国立公園と併せて豊かな自然環境を後世に残していくことだ。  国立公園指定で望みたいのは環境保全意識の徹底だ。私たちの周りには空き缶の投げ捨てや海岸、山林での不法投棄などの問題がある。古くて新しい身近な問題だ。  しかし新空港問題を契機に住民も行政も変わった。確実に自然を大事にする意識も高まっている。それがさらに浸透するよう期待したい。

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