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去る19日、日本の臨床心理学の第一人者で…

 去る19日、日本の臨床心理学の第一人者である河合隼雄(かわい・はやお)さんが79歳で亡くなった。河合さんは生前、文化庁長官として何度か八重山にも来島して講演したり、竹富島の人たちとも交流を深めたりした▼筆者は20代の頃、フロイトやユングなどを夢中になって読んだ。当然、日本初のユング派心理学者でもある河合さんの著書も何冊か読んでいた。『影の現象学』や『昔話と日本人の心』は今でも愛読している▼その河合さんは、八重山の御嶽に深い関心をもっていた。おそらく、日本人の意識・無意識の深層の分析をとおして文化を考えてきた心理学者としてのものであろう▼『影をなくした男』(シャミッソー著)という小説がある。自分の影を黄金とひきかえに悪魔に売り渡したために不幸になる話だ。八重山にも与那国島の「首のない影」をはじめ影にまつわる昔話がある▼また、「かれは影が薄い」とか、「影に怯えている」とか言うように、影は私たちの心に深い関係をもっている。河合さんは、この影には個人的影と悪の概念に近い普遍的影とがあり、叛逆されることがあると言う▼殺人、いじめ、虐待、そして絶えることのない政治家や官僚の汚職―。現在の日本の政治、社会状況もまた、個人的影と普遍的影に逆襲されているのだろうか。(草)

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