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民間委託で救急業務開始 西表島西部地区

1日から西表西部地区で救急救命業務に当たっている日本救急システムの救急救命士ら。(右から)島伶弥さん、長谷川瑛一部長、鈴岡克文部長補佐、池宮城和哉さん=1日午前、祖納

1日から西表西部地区で救急救命業務に当たっている日本救急システムの救急救命士ら。(右から)島伶弥さん、長谷川瑛一部長、鈴岡克文部長補佐、池宮城和哉さん=1日午前、祖納

竹富町が県内自治体初

 【西表】県内自治体として初の民間委託による救急救命業務が1日、西表島西部地区で始まった。受託先の日本救急システム㈱(JEMS、本社・宮崎県)沖縄支社竹富救急事業部が祖納集落の救急救命士詰め所を拠点に活動を展開する。2020年度は救急救命士4人を配置し、3人体制で平日午前8時半〜午後5時半まで業務にあたる。事業部の長谷川瑛一部長は「消防団員の負担軽減、住民の暮らしを守り、観光客が安心して来島できるよう貢献できればと思う」と意気込みを語った。

 JEMS(ジェームス)は、非常備消防の自治体から委託を受け救急救命業務を行っている。竹富町は、1町多島という地理的な事情から常備消防(消防署)を設置していない。業務受託は宮崎県美郷町、徳島県勝浦町に次いで3例目になる。

 町内の急患搬送体制は、119番通報後、各地域の消防分団が島内の診療所に傷病者を搬送している。西部地区は観光客の増加などで他地域に比べ件数が著しく多い。2017年度の通報件数は約150件、このうち石垣市内の病院に約30件を搬送。出動のみで終わるケースも少なくない。また、町全体の搬送業務は9割以上を占め、本来の任務である消防業務は1割にも満たない。

 西部地区の消防分団(上原、西表、白浜、船浮、鳩間)は、昼夜問わず仕事中にも要請が入り出動せざるを得ない状況で、団員らは疲弊しきっていた。

 JEMSの参入で消防業務と搬送業務を切り離し、消防団の負担軽減を図るほか、これまで診療所到着後から始まっていた医療介入が、救急車到着後に開始でき救命率向上にもつながると期待されている。

 また、団員ができなかった医療行為を救命士が行うことで、診療所医師の処置が軽減され、ケースによっては石垣島へ船による転院搬送の同乗も可能になり、医療資源の保全に期待が寄せられている。

 現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染対策については、JEMS独自の感染症対応マニュアルに基づき、発熱や感冒症があれば防護服、ゴーグルを着用し搬送する。

 白川透代表取締役は「救急救命、医療はひとつのインフラ。充実させることで生活しやすくなり、観光客も訪れやすいと思う。しっかり責務を果たせるよう関係機関と連携を深め取り組んでいきたい」と話した。

 民間救急の導入を町に要望してきた上原分団の崎枝裕次分団長は「これまで消防団は仕事を犠牲にして業務に当たり、団員が疲弊していた。町をはじめ、JEMSや関係機関にとても感謝している。今後は、救命士の方々が慣れない地でやっていけるよう、バックアップしていきたい」とうれしそうに話した。

 本年度、休日や夜間は消防団が搬送業務を担当、段階的にJMESへ業務を引き継いでいく。21年度は救命士を10人配置、西部地区で24時間体制業務を構築する。その後、東部地区までエリア拡張を目指し、将来的には町内各島での民間委託が可能か検討していく。

  • タグ: 西表島救急救命業務民間委託
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