八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

夏至南風(かーちーばい)が吹いている。

 夏至南風(かーちーばい)が吹いている。窓を開ければ、風が吹き抜けてゆくが、なにしろ最低気温が29度を超える真夏日、熱帯夜の日々である。せっかくの風も熱を帯びているように感じる▼琉歌に「節や立ちかわて 秋になり居すが 朝夕はなさらぬ 玉のうちは」とある。季節は巡り、旧暦9月から10月の頃になっても手放せない「玉のうちは」。そう、クバうちわである▼石垣で「くばぬぱーおんぎ」、小浜島では「くばあぶる」という。小浜では若夏の紫外線が強くなりだす頃、男衆が老いも若きも一斉につくり出す。これから秋までの行事に、藍染めの着物とともに欠かせぬ必需品だから▼大ざっぱに切って何日か天日に干す。あるいは車のトランクへ。それぞれのやり方で乾燥させ、葉の色を抜く。広げて型押しし、化粧切りで整える。センスのみせどころである。風が香り高く、寄り合えば自慢の一品を見せ合うのも楽しみのひとつ。うんちくを語らせば、誰もが一家言を持つ▼遠来の客に進呈すると喜ばれること請け合い。女性用に一まわり小さなサイズ、孫用のミニチュアサイズも作る人もある。わが家は風鈴の風受けさえも、くばあぶる▼行事や暮らしに密着した一品。時間も手間もかけてこそいとおしい、涼風を呼ぶ「玉のうちは」である。(慶田盛伸)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム