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鎮魂の月である。戦後75年の節目ながら、…

 鎮魂の月である。戦後75年の節目ながら、コロナ禍で戦没者追悼式が規模縮小となった。正午のサイレンに合わせて祈ろう。島々に平和が未来永劫続きますように▼鎮魂の月はまた、戦争の記憶の継承について考える月でもある。人生百年時代というけれど、身をもって体験した人が年々減っていく現実▼幸い、「八重山を学ぶ-八重山の自然・歴史・文化-」などの良書があり、戦禍の記憶と教訓を記録している。歴史に学べば、戦争の惨禍や戦争マラリアの不条理が、私たちが暮らすこの島々で現実にあったかを知ることができる▼若い頃、貴重な経験をした。石垣市史編集室発刊の「市民の戦時戦後体験記録」の聞き取り採録である。体験を直接お聞きして記録し、原稿にして本人に確認する。何度も通う▼なかにおひとり、家族の非業の死について、あふれる涙と長い沈黙で語りきれない方があった。人には言葉にできない深い悲しみ、癒えることない心の傷があることを知らされた。胸の痛みを覚えた▼親世代あるいは祖父母世代から戦争の記憶を伝え聞く時間は、そんなに残されていない。戦後生まれが人口の8割余を占める今、体験のない世代が後に続く世代へ何を伝えてゆくか、どう伝えるか。重い課題である。できることからはじめるしかない。(慶田盛伸)

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