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県内黒糖 供給過剰で在庫大量に 生産調整の恐れも

県黒砂糖工業会が抱える大量の在庫=那覇港総合物流センター倉庫内(県黒砂糖工業会提供)

県黒砂糖工業会が抱える大量の在庫=那覇港総合物流センター倉庫内(県黒砂糖工業会提供)

県黒砂糖工業会 「支援制度の見直しを」

 県内の黒糖生産が過去にない4年連続で年間販売量の7000~7500㌧を上回る9000㌧台で推移しているため、過剰供給に陥り、大量の在庫を抱えていることが分かった。県黒砂糖工業会(西村憲会長)によると、2016/17年期以降は平均9281㌧とこれまでの生産実績から34%の増、19/20年期も9000㌧の増産が見込まれることから、2~3000㌧が在庫となる見通しだ。今後、工場の経営悪化と生産農家への影響が懸念されているという。

 黒糖生産量は15/16年期までの5年間、7000㌧台で推移し、品薄傾向にあったが、その後は増産プロジェクトや気象要因などの結果、9000㌧を超えている。急激な増産が連続したため過剰供給となり、黒糖工場・流通業者ともに大量の在庫を抱えることに。

 各工場・流通業者ともに坂路拡大を模索しているが、最大の販売先となっている業務用で黒糖使用が伸び悩み、併せて輸入含蜜糖との価格競争もあって抜本的な打開策を見いだせないという。

 同会は「黒糖の在庫問題が単に工場の経営悪化だけでなく、生産農家へと波及する恐それがある」と懸念を示し、制度上の問題点を指摘する。

 農家に支払われるサトウキビ代金は、石垣島製糖のような分蜜糖工場では国が農家に直接8割払う甘味資源作物交付金と工場が2割支払う2本立ての制度になっているのに対し、黒糖工場では工場側が原料代金を全額支払った後に県から交付金を受ける間接的な支援制度になっている。

 このため、黒糖工場側は、原料代金を含む運転資金を製品代金の回収と金融機関からの借り入れなどで確保。販売の不振や回収の長期化が続けば、生産農家に対する原料代支払いに遅延が発生したり、生産自体が難しくなったりする可能性がある。

 このような状況が続いた場合、サトウキビの全量買いが困難となり、需要量のみを購入する生産調整を検討しなければならないという。これにより工場の運営継続も厳しくなり、経営危機に陥る恐れがある。

 西村会長は「国・県は県内8工場すべてを新工場へと更新したが、現制度の下では、豊作を喜べない不幸な状況を招きかねず、非常に矛盾を感じている。黒糖地域も分蜜糖地域同様、生産農家と製糖工場がともに豊作を喜び合えるような制度にしてもらいたい」と訴えている。

 県内で黒糖を生産しているのは伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、西表島、小浜島、波照間島、与那国島。

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