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石垣市が災害時応援協定 通信障害の手段確保

垂直軸型マグナス式風力発電機の前で、災害時の通信施設・情報発信の相互応援に関する協定を締結する左から出雲充社長、中山義隆市長、清水敦史CEO=27日、八重山殖産敷地内

垂直軸型マグナス式風力発電機の前で、災害時の通信施設・情報発信の相互応援に関する協定を締結する左から出雲充社長、中山義隆市長、清水敦史CEO=27日、八重山殖産敷地内

㈱チャレナジーなどと

 与那国島での道路清掃作業中の光ケーブル切断と、石垣島での台風18号によるケーブル破損の影響で大規模通信障害が発生したことを受け、石垣市は27日、プロペラを使わない新型風力発電機と衛星通信設備を所有する㈱チャレナジー(清水敦史代表取締役CEO)=東京都=、設置場所を提供している㈱ユーグレナ(出雲充代表取締役社長)=同=と相互応援に関する協定を締結した。災害時に通信障害が発生した際、電力と通信環境の提供を受けられるようになる。市は今後、両社と連携して年1回の通信訓練を行う予定だ。

 風力発電施設は、ユーグレナも出資するファンドで設立された風力発電のベンチャー企業、チャレナジーが開発した「垂直軸型マグナス式風力発電機」。チャレナジーは2018年8月、ユーグレナグループの八重山殖産㈱敷地内に第1号機を建設し、試験運用を行っている。

 円筒を回転させることによって発生するマグナス力を利用する発電機で、10㍍の風車を20㍍の高さに設置している。強い風にも対応できるのが特徴。一般の風力発電機は風速25㍍を超えると、破損や故障のリスクを回避するため発電を停止するが、マグナス式は風速40㍍まで安定的に発電。施設は風速70㍍にも耐えられるよう設計されている。さらに、あらゆる風向に対応でき、低回転のため騒音やバードストライクなどの影響も低減できるという。

 最大発電量は一般家庭4、5世帯分に当たる10㌔ワット。同社は2020年に10㌔ワット機の量産化、25年には100㌔ワット化を目指す。

 この発電機で得られる電力を衛星通信施設に使用することで、電力と通信の一体的な運用ができ、防災面での活用が期待される。実際、昨年の大規模通信障害時にも衛星通信が生かされたという。

 締結式が発電機前で行われ、中山義隆市長は「大規模通信障害で離島ゆえに孤立は免れないと痛感し、通信手段の確保の重要性を再確認した。今回、災害時の通信機能の強化を図るとともに相互の協力関係を構築できたことは大変心強い」と感謝した。

 清水社長は「離島の過酷な環境で発電できる風力発電をつくり、世界に広めるのが夢であり使命。風力発電と衛星通信の組み合わせは防災の一歩を石垣島から踏み出せる」と喜び、出雲社長は「台風18号でNTTの通信網はすべて使えなくなったが、チャレナジーの衛星通信と風力発電は生き残った」と話した。

  • タグ: 石垣市災害時応援協定ユーグレナチャレナジー
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