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「まことに小さな国が…

 「まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている」。司馬遼太郎の大作「坂の上の雲」は、こう書き出して明治という「時代の精神」を一言で切り取った▼俳人・中村草田男が「降る雪や明治は遠くなりにけり」と詠んだのは昭和6(1931)年。すでに大正、昭和と二度の改元を経ていた。その昭和もだんだんと歴史の遠景に遠ざかりつつある▼思えば、昭和は一言で切り取ることが難しい。歴代最長の元号ゆえもあろう。戦前・戦中世代が体験した軍部暴走の果てのすさまじい戦争体験を経た昭和と、団塊世代や、そのジュニア世代の昭和がひとくくりにできないように▼ポスト団塊世代に生まれ、思春期を過ごし、所帯を持った「私の昭和」は、きょうより明日が明るい日であることに何の疑問も抱かない日々だった▼平成の訪れとともにバブルは崩壊し、私たちは長い経済低迷期を生きてきて、新たな元号を迎えた。だが、まだ「昭和も遠くなりにけり」とは言い難い。それぞれ心象風景の違う昭和があるゆえに▼ともあれ「平成最後」と「令和最初」の喧そうの1年を乗り越えた。願わくは迎えた新年が、あるいはこれからの時代が平和で、すべての世代にとって稔りある豊かな時間となることを。令和生まれの孫を抱いて迎えた新年にそう願った。(慶田盛伸)

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